内容説明
夫の仇を討とうと彦根から江戸に出てきた武家の女・三千代。無頼者どもに乱暴されそうになるが剣客・加藤平十郎に助けられる。三千代は彼の道場に住まい、やがて二人は恋仲に。一方、仇・近藤虎次郎は、かつて惚れた女・三千代の動向を気にしていた。転ぶたびに逞しく美しくなるヒロインから目が離せない。
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
大正12(1923)年、東京に生れる。昭和30年、東京都職員を退職し、作家活動に入る。新国劇の舞台で多くの戯曲を発表し、35年、第43回直木賞を「錯乱」によって受賞。52年、第11回吉川英治文学賞を「鬼平犯科帳」その他により受賞する。63年、第36回菊池寛賞受賞。作品に「剣客商売」「その男」「真田太平記」“仕掛人・藤枝梅安”シリーズなど多数。平成2年5月3日没。東京・浅草に池波正太郎記念文庫がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
90
悪女か、たくましい女か…。2021.01発行。字の大きさは…小。 三千代に係わった男たちは死にはて、三千代は、いま幸せに満ちて夫である尾張・名古屋城下で大店舗をかまえる呉服商の伊勢屋宗助と京見物へ行くところで物語は終わる。 三千代を、見ていくと悪女か、それとも流れに逆らわず、その場、その場で一生懸命に生きて幸せをつかんだ美しいたおやめか…。🌿続く→2021/04/14
優希
44
夫の仇討ちに出たはずが思わぬ展開に流れたのが面白かったです。しなやかで美しい三千代は転ぶたびにその魅力を増していくようで、しなやかで素敵です。最後まで読む手を止められませんでした。面白かったです。2023/07/22
ぶんぶん
24
【図書館】美千代の旅路は未だ続く。 夫の敵とは未だ会えず仕舞い、そんな中、又しても無頼漢に襲われる美千代。 又しても侍に助けられる。ちょっと、偶然が多すぎるのでは? 解説の言葉を借りれば、その場、その場で書いて行く作家らしい、まあその方が臨場感は増すが・・・でも、似たような場面があるのはどうかな? しかも、その侍に惚れてしまう。三浦芳之助、井上忠八、堀本伯堂、加藤平十郎、伊勢谷宗助、何人もの男を慕い、身体を共にしてきた美千代は悪女なのか、そうでは無く流れのままに生きて来た女だと思う。良いか悪いか判らぬが。2022/09/10
Kira
11
図書館本。再読。主人公三千代の生きざまは主体性がないようでいて、しなやかで、ある意味したたかなものかもしれない。夫を斬殺された武家の若妻が敵討ちをするストーリーのはずが、思わぬ展開になるので何度読んでも面白い。2022/05/15
kazukitti
4
まぁこうなんというか、「ザ・昭和」って感じw 池波先生の女性観みたいなのもあるんだろうけどw、こうね、(女のしあわせというものは・・・)このことである、感が溢れすぎというかw いや、まぁご都合主義的な展開も含めて「またかよ!」とか思いつつも、面白かったんだけども。美千代がエロ過ぎるのが問題なのかw 2023/03/09