出版社内容情報
佐野政言、何事かを決し、松平定信から借り受けた一振りの刀を帯びて登城す――。佐野邸を監視していた霧子からの急報に磐音は……。
内容説明
天明四年弥生二十四日。粛然と稽古に打ち込む磐音のもとに、霧子から急報がもたらされる。田沼意次父子への恨みを抱く新番士・佐野政言が、何事かを決した様子で、松平定信から借り受けた一振りの刀を帯びて登城したのだ。ただごとではない事態に、磐音は奏者番・速水左近と連絡をとる。―江戸を揺るがす、運命の日が訪れる。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。著書多数。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
87
この巻ではいよいよ、田沼の息子が城内で切られます。その背後には松平定信がいると予想されそのあと始末に磐音の密偵たちが活躍します。また自分たちへ火の粉が被らないようにと慎重な動きを見せています。ただやはり佐野への調べは大したものでその所はきちんと書かれています。これからいよいよ田沼の凋落が始まるということなのでしょう。2021/01/31
yamatoshiuruhashi
37
田沼意次の嫡子、意知が佐野善左衛門により江戸城内で斬られる。その後片付けに密かに関わることになる磐音とその一統。江戸城の床下での暗闇での死闘なども書かれているが、この巻も磐音の剣はあまり見えず。2021/01/11
fuku3
14
2022.1.8読了。シリーズ第46弾。天明四年三月とうとう江戸を揺るがす大事件が勃発!佐野政言が松平定信から借り受けた粟田口一竿子忠綱を持って登城した!佐野は老中田沼意次を討とうとしたが怖気付き若年寄りの田沼意知に刃を振り下ろした!磐音は弥助にもし佐野が事に及んだら粟田口を回収する密命を受けていた!江戸はこの騒ぎで持ちきり!田沼親子に牛耳られていた世の中はここぞとばかりに判官贔屓で佐野を世直し大明神と讃えた!幕府は佐野の乱心として事を収めたが意次は松平定信に刺客を送ったが磐音と尚武館の面々が成敗した!2022/01/08
紅葉
11
凄いことになってました‼︎…というか意外な展開でしたね。私は田沼親子の没落の原因を知らなかったので…とても驚きました。佐野さんが実在の人物だということまでは分かってましたが…まったく予想を裏切らない人物でしたね。 浅野内匠頭より大事件じゃないですか⁉︎弥助の活躍がなければ磐音たちも只ではすまなかったでしょう。松平定信の軽率さにはヒヤヒヤしましたね。これを機に清廉潔白すぎる老中になるのでしょうか。史実があるだけに、上手く磐音たちとの話がパズルのように合わさって、とても面白かったです。まさにクライマックス‼︎2021/05/30
ボタン
3
遂に佐野善右衛門が。バックに定信がいたとは知らなかったが、意次の怖さ、緻密さが大分薄れてないかなー2023/01/30