出版社内容情報
廃業する店を訪ねて、ひとり娘と東奔西走。そこで出会った三人のワケアリ女に惚れて、助けて、袖にされ……。ほっこり小説、決定版!
内容説明
廃業する店の備品を引き取り、中古販売する五郎は、百キロ超の巨体を揺らして、今日も東奔西走。撤去に出向いたタクシー会社の未亡人社長のタクシーに乗り、すっかりデート気分だったが…。ワケアリ美人に弱い“女難”の五郎に幸せは訪れるのか?不器用で、義理人情に厚い五十路男を描いたハートフル小説。
著者等紹介
原宏一[ハラコウイチ]
1954年長野県生まれ。早稲田大学卒業後、コピーライターを経て、97年『かつどん協議会』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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相田うえお
67
★★★☆☆24083【廃墟ラブ 閉店屋五郎2 (原 宏一さん)】第二弾は三話。中古品買い取り撤去,店舗販売をしている父親の五郎とウエブデザイナーをやりつつ、たまに五郎を手伝う娘の小百合、揉め合いも多いけど、いい親子〜①事業改革などで分裂すると揉め事になることも。過去に家具屋の親子対立がテレビで話題だったよね②ある女性が結婚詐欺に遭ったことで命を絶つ心配から五郎が調べたら!③倒産したタクシー会社社長兼運転士の女性が運転する車で白河,会津若松,喜多方,山形,仙台、美味しいものエリアを移動〜。2024/09/01
Walhalla
31
閉店屋五郎シリーズの2作目です。五郎さんですが、人情味に溢れ、惚れっぽいところも健在です。体重がさらに大きく増加してしまっているところも、五郎さんらしいですね。儲けを度外視し、西へ東へトラックを走らせる様子は、ほっこり楽しめますね。3話目のみちのくのお話が、特に五郎さんらしさが出ていて良かったです。著者の作品でおなじみの、キッチンカーのあの女性も登場してテンション上がります。2023/04/18
エドワード
29
閉店屋五郎リターンズ!標題作「廃墟ラブ」が出色の出来だ。つぶれた店の什器備品を転売する五郎。廃墟と化したラブホテルでふと拾ったノート―通称ラブノートと呼ばれる、カップルが情事の前後に思いを記すノートに、ある男女ののっぴきならない悲劇を予感し、書き手と思われるアミを探しに、娘の小百合ともどもはるか博多まで行く!果たしてアミの運命は?下手なミステリーよりサスペンスだ。「スリーチートデイズ」は、ふと出会った元レースクイーンでタクシー会社社長の良江との不思議な東北の旅。コミカルで人情満載の物語、次を待ってるよ!2022/10/18
再び読書
27
相変わらず、若者の様な色欲に駆られる五郎。手綱を絞る小百合との駆け引きは定番の面白さ。ラブノートから、その女性を探す旅に出かける荒唐無稽のタイトル話。ここに焦点を当てる事自体、この本を読む意味不明なのかも知れないが、気になるところではある。最後のエピソードでも未亡人元社長にどっぷり惹かれる五郎は、ここまでいけば、もう既に心地良い。しかし、利益がでているのか心配になってしまう五郎に小百合も目は離せなそうですね!2025/09/30
練りようかん
14
前作がとても面白かったのですぐに続編に着手。連作は6から3と半分になり、人間の今昔サイコロを回転させ遠心力で引き込む手法が上手い、よりドラマティックでじっくり読ませるお話に仕上がっていた。特にワクワクしたのは成長著しいスーパーの旧本店で建て替えを阻止すべく立て篭もる人を立ち退かせる「バリケード本店」で、ややこしさが好みだった。表題作は懐かしさとハラハラと意外なオチでショートフィルムを見たかのような充実感。ドラマ化してくれないかな。脳内キャスティングは伊集院光と谷村美月で決まっているのだけど。第三弾を待つ。2024/05/27
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