出版社内容情報
子供の頃から鰻捕りの名人で、深川で暮らすようになった磐音を支える少年・幸吉と、幼馴染みで縫箔職人を目指すおそめの成長物語。
内容説明
深川の唐傘長屋で育った幸吉とおそめは物心ついた頃から身内同然。磐音が江戸暮らしを始めた折り、何かと力になった幸吉はやがて鰻処宮戸川に奉公、おそめも縫箔師になるべく当代一の江三郎親方に師事し、念願の京での修業を実現させる。磐音夫婦が田沼意次に江戸を追われ流浪する中、二人は一人前の職人へと着実に歩んでいた。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。著書多数。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
117
シリーズ5作目《完》 2021.01発行。字の大きさは…大。 おそめ初仕事、幸吉独り立ちの中編2話です。 此度は、幼馴染のおそめと幸吉を中心に、磐音ファミリーが勢揃いします。 おそめは、縫箔師江三郎親方から豪商の結婚衣装4点のうち留袖と帯を任されます。留袖には松模様、帯には雪の富士の峰を背景に朝焼けの空を飛ぶ白鳥の群れを1人で縫箔します。花嫁は、その美しさに息をのみます。 時々、老中田沼意次からの逃避行中の坂崎磐音・おこんの話になったら、ま、瞼が重くなり涙が出てきそうになります。🌿続く→2021/03/11
KAZOO
103
居眠り磐音のスピンアウト作品で、磐音が江戸で最初にいた長屋の関連のこどもたちがその後成長して最後は一緒になるまでを書かれています。とくに女の子のおそめという子が縫箔の技術を習得して京都にまで修行に行き一人前になるまでが興味深いものでした。これで51巻の磐音とスピンアウトも終わりということで新しいシリーズが始まるようです。このおそめから波及したのか女性職人物で4回ものだそうです。楽しみです。2021/01/30
とし
79
新・居眠り磐音「幼なじみ」 。唐傘長屋で生まれ育った幼馴染みの幸吉さんとおそめちゃん、しっかりと自分の将来を見つめ努力し成長しやがて二人が夫婦に、ほんわかとさせられましたね。2021/06/26
雅
75
磐音を江戸に馴染ませた幸吉の成長が存分に堪能できた。スピンオフらしい本編とは違う雰囲気が良かった2021/05/12
TakaUP48
57
1話目:おそめが、札差屋の娘の婚礼衣装に師匠と共に縫箔をして大好評だった。幼少の頃、母の出産でおばばの元で絵を描いて絵心・美的感覚を身につけたのだろう。師匠は、おそめの京修業を快諾する。2話目:唐傘長屋で育った幸吉とおそめの幼なじみが、ついに一緒になる。妹が生まれて長屋に帰ってきたおそめの淋しい顔を見て、幸吉は思わず「嫁にする」と言ったのだとか。そう言えば、自分も遠い昔に誰かさんに言った気がする…。家族・親戚が疎遠になる今、こんな風に隣近所が集まって祝言というのは羨ましく感じる。人徳者・磐音の味である!2021/01/20
-
- 和書
- 死への招待状 角川文庫
-
- 和書
- けやきの街に - 歌集