内容説明
ネットで広がるデスゲーム。次々と提示される試練をクリアすると積みあがる「いいね」の山。しかし、試練は次第にエスカレートし、七番目に課されるのは、死を招く危険なものだった。けがをした高校生のために、マコトが「管理人」の正体を追う!表題作ほか3篇を収録、時代を色濃く映す人気シリーズ第14弾。
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960年、東京生まれ。成蹊大学経済学部卒業。広告制作会社を経てフリーランスのコピーライターに。97年、「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。受賞作に3篇を加えた『池袋ウエストゲートパーク』(文春文庫)でデビュー。2003年、『4TEEN』(新潮文庫)で直木賞を受賞。06年、『眠れぬ真珠』(新潮文庫)で島清恋愛文学賞、13年、『北斗 ある殺人者の回心』(集英社文庫)で中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
雑多な本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
124
石田さんの池袋WGPシリーズ文庫本最新刊です。表題作が中編の感じであと3作は短編です。今回は主人公がかなり活躍します。ただ表題作では、仲間たちの力をかなり借りますが、最近の若い人たちの状況をうまく描いていると感じています。主人公が結構クラシックが好きなのが気に入っています。2021/02/23
ゆいまある
90
これだけ続いても一定の面白さを維持しているのは流石。どこから情報を拾って来るのだろう。凄い頭脳集団ついてるのかな。今回気になるテーマは格差。東京の富、沖縄の貧困。インスタでは、いいね欲しさから過激になった投稿者の死亡事故が起きたことからいいねが非表示になった。その前に既にこれが書かれてたなんて石田衣良の先見性を素直に褒めたいけど、ガキが集まる掲示板だけでここまで盛り上がるかな。全話に渡りタカシ出ずっぱりで、ゼロワンも再び常連に。マコトが大人になるにつれ、マコト自身の恋話が無くなったのが寂しいところ。2020/11/12
のんき
87
マコトは池袋のキングのタカシらと、困ってる弱者を助けます。見つけ出した強者をやっつけるやり方も痛快で、マコトならでは。どんなに複雑で、難しい問題でも、マコトならきれいさっぱり解決しちゃいます。政府や警察よりも頼れちゃうのがマコトとタカシ。七つの試練というネットのゲームで怪我をする人、死者が増えています。この難題も、被害者の妹が兄の仇をうつのを手伝って解決していくのもマコトらしい。女性と結婚する事よりも、解決できそうもないトラブルの方が好き。トラブルをどう解決するか考えるのが、今のマコトの一番の幸せなのかな2020/10/25
里愛乍
75
もう何年ぶりになるだろう。時間的、精神的にも本なんて読めなかった時期にさらりと読んだIWGPの短編、あれから十数年…知らない間に第14弾とはかなりの長期シリーズ、根強い人気が伺えます。さらにすごいのはその時代の背景にぴったりフィットしてる事。あの頃はPCでさえ普及しかけたばかりだったのに今ではスマホを使いこなす。事件もそれなりのものになっている。短篇集で一作ずつ、一冊読み切りになってるので数年ぶりに読んでみても大丈夫。娯楽の為の読書とはこんな風に気軽に楽しく、そして何より面白く!が一番ではなかろうか。2020/10/16
如水
64
姿形を変えてその時制に合わし続ける街、池袋。其処に変わらぬ者達がいる。本職:実家の果物屋の手伝い 副業:コラムニスト しかしその実体は『池袋の顔』。人の闇に触れ続け、池袋のgang『G-BOYS』でも解決出来無いトラブルをスパッと解決…し続けてもう20年以上!この小説の凄い所は時世に合わせて話が次から次へと出て来る所。今作も芸能スキャンダル、原点回帰(沖縄の貧困)、タワマン、SNSが主題。普通知り得無い人の闇を垣間見る事が出来る…関心をもた無いこそ悪だ!と毎回言われてる様な気がする…けど面白さは保証付。2020/10/17