内容説明
幕末前夜、囲碁に果てしない大望を抱いた男がいた。「古今無双の名人になる」―この男、服部立徹、幼名・吉之助こそ、後に「幻庵」と呼ばれ、囲碁史にその名を燦然と輝かせる風雲児だった。鎬を削るは、本因坊家の丈和、安井家の知達ら。囲碁の天才たちによる触れれば血が噴き出るような熱き激闘、その歴史の幕が上がる!
著者等紹介
百田尚樹[ヒャクタナオキ]
1956年、大阪市生れ。同志社大学中退。放送作家として「探偵!ナイトスクープ」等の番組構成を手掛ける。2006年『永遠の0』で作家デビュー。他の著書に『海賊とよばれた男』(第10回本屋大賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ソーダポップ
27
この物語の主人公は、井上家の幻庵因碵(げんなんいんせき)。本書によると江戸時代には幕府から認められた囲碁の家元は、本因坊家、安井家、林家、井上家の四家であったと書かれている。私は、囲碁のことは全くの素人だが、上巻から火の出るような打ち合いの描写にどんどん引き込まれていきました。探偵ナイトスクープの構成作家もされていた、作家の百田尚樹さんが囲碁の世界にも造詣が深いことに驚きました。中巻も大いに期待。2023/06/10
魔王
17
囲碁のルールなど全くわかりませんが、書き方がうまいのでやっぱり引き込まれます。2023/11/11
ABCorenge
12
囲碁小説ということで読んでみた。大筋には面白い。だが、解説が度々入り、物語として没頭しにくいのが非常に痛い。主人公以外の主観も多く、半分くらいまでずっとプロローグを読んでるような錯覚に陥った。続きは読みたいけど、ずっとこの調子なら、手が出にくい。2020/08/19
ねこぱんち大佐
12
やばい、面白い!意味分からないけど熱気は凄く伝わる2020/08/12
magic makky
10
江戸時代の囲碁のプロ達のものごたり。子供の頃に少し囲碁をかじったことがあったけど囲碁独特の用語画出てくるとイマイチよくわからなかった(巻末に説明があるのを発見。巻頭にして欲しかったな) 現代の対局では考えるための持ち時間があるが、この時代は正確な時間を計測できないこともあり無限だったそうだ。対局が深夜になることもあった。とてつもない体力・胆力のいるものだったようだ。棋譜もいくつか発見されていて、現代での対局最後には持ち時間がなくなってくるとミスが出ることがあるが、この時代の棋譜にはそういうことがないらしい2023/11/08