内容説明
瀬戸内とびしま海道でのアドベンチャーレースに参加した警視庁チーム。最年長の重盛、若手の牧山、女性の星名らをまとめるキャップの和倉だが、スタート直前に携帯電話に「家族を預かった。レース中にあるものを回収すれば解放する」との脅迫が…。制限時間は24時間。無事にゴール出来るのか、家族の行方は。
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年生まれ。茨城県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒業。2000年に『8年』で第13回小説すばる新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカママ
481
【マイナースポーツシリーズ】とでも名付けたい作品。恐る恐る読み始めたが、なんとも最後まで引き込まれた。アドベンチャーレース、曰く「ウルトラマラソンやトライアスロンに 、オリエンテーリングの要素を加味したもの」。瀬戸内の島々を舞台に開催された第一回大会に、和倉たち警視庁勤務の四人組チームが挑戦する。当日、彼の妻子を誘拐したと脅迫電話を受けて。選手たちの激しい呼吸や脚のこわばりが伝わってくる。野性味(ワイルド)あふれたレース内容、チームのまとまり、そして終始まとわりつくミステリー。堂場小説の魅力満載の一冊。2020/07/17
カブ
41
24時間以内にゴールを目指すアドベンチャーレース。レースのことをよく知らなかったので、瀬戸内海の風景とともに楽しむことができた。でも、事件絡みだと無理のある感じで、ちょっと残念な気がした。2021/01/31
ぽろん
38
自然を舞台に、チームでマラソン、カヤック、自転車でチェックポイントを探し、タイムを競うアドベンチャーゲーム。そこに、事件が絡んで、余計に緊張感あるれるレースになった。犯人は、途中で想像できたものの、完走できるのか気が気ではない展開が続いて一気に読了。チームの絆は、強かった!2020/09/16
えみ
37
タイムリミット迫る緊張感、ぎりぎりの体力、ズタズタの精神。これはスポーツ小説に警察小説をブレンドした、堂場瞬一独特の特徴を生かした芳醇感漂う一冊。アドベンチャーレースという、まるで「冒険」のようなスポーツが「人質事件」とリンクして、大きな非日常の世界へと読者を連れていく。焦るな!強くあれ‼孤独を思うな、仲間がいる!と、危機的状況が訪れる度に声援を送り続けてしまうほどの熱量を感じた小説。最後の一文を読み終えたとき、読了の達成感とは違う、開放感を含んだ試験を終えた後の達成感に似た感覚が全身を包み込む。最高!2020/08/01
ぺあの
8
あの田中さんがアドバイスをしているとはいえ、アドベンチャーレースは映像だよな。 ていうか、アドベンチャーレースをしながら他の事を考えられるとは思えない。物の回収を誘拐までして託す理由もちょっと微妙。自分でするべき!2021/05/07