出版社内容情報
丘の上の屋敷に新たな住人が住み始めた日から、町に不吉な影が。吸血鬼譚を現代に甦らせ、現代ホラーに巨大な影響を及ぼした名作。
内容説明
荒れ果てた屋敷が丘の頂から見下ろす町、セイラムズ・ロット。そこに幼い頃に住んでいた小説家ベンが帰ってきた。町は平穏に見えたが、ある夜、ベンは丘の上の屋敷に灯が点っているのを見る。あの屋敷を買った者がいるのだ。そしてある日、幼い少年が忽然と姿を消した…巨匠キングが恐怖の帝王の名を不動のものとした名作。
著者等紹介
キング,スティーヴン[キング,スティーヴン] [King,Stephen]
1947年、アメリカ、メイン州生まれ。高校教師を経て、1974年『キャリー』で作家デビュー。『呪われた町』『シャイニング』で一躍「モダン・ホラー」の巨匠となる。初のミステリー作品である『ミスター・メルセデス』でエドガー賞最優秀長編賞を受賞
永井淳[ナガイジュン]
1935年、秋田県生まれ。埼玉大学文理学部卒業。英米文学翻訳家。2009年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sin
76
初読みは1985年3月と当時の手帳に記してあった…35年前である。キングにとっては出世作であるが吸血鬼と云う題材には古めかしい感触を持った覚えが残っている。いま読み返してみて序盤に語られるマーステン館の存在がキングにとって如何に重要かに思い至った。吸血鬼を引き寄せたモノ、建物に染み付いた滓、後にシャイニングに引き継がれる悪の具現化を可能にする場所の魔力…この作品の本当の主題かもしれない。2020/10/04
Shun
30
キング著作の中でもかなり初期の作品、そして気になっていた作品が文春文庫で復活。キングの作品はどれも長いが、描写の緻密さにより小説の中に広がる情景はまるで自分がそこにいるかのような感覚にさせるという。読んでみて驚いたのはまさにその部分で、そこには古い時代のアメリカの町が広がっており、そこで起こる奇妙な出来事の数々は得体の知れない何かを連想させます。この町の底には一体何がいるのだろうという不安は、住人一人一人の行動が細かく追って描かれる中で恐ろしい部分は隠れているため、まさにその狙い通りの効果を与えています。2020/06/20
ATS
18
キングの特徴的な長ったらしい感じが少なく淡々と物語が進むので読みやすい。実は本作をモチーフにした小野不由美さんの『屍鬼』アニメを見ていたので本作がどういう内容かは大まかに知っていた。それでも面白く読めちゃうんだからさすがキングの代表作だなと。でも個人的には『残穢』といったジャパニーズホラーみたいなゾクゾクする怖さじゃないから大丈夫。さて下巻がどうなっていくか楽しみだ。『泣かなかったからこそ、いつまでも思い出が残ったのだ。泣くことはすべてを小便と一緒に地面に流してしまうことだった。』(P248)2024/11/03
特盛
16
評価は下巻終了後。後に、街から人がごっそりいなくなる怪事件の始まりを描く。主人公で作家のベンはかつての故郷であるこの街に戻ってくる。作品を書くためだ かつて持ち主一家が心中し、その他忌まわしい噂が付きまとう呪われた館が物語の中心だ。この館が謎めいている。ベンはかつて幼い頃この館で恐怖の体験をした記憶を持つ。 ベンが街にやってきたタイミングで謎の人物が館に引越してくる。その頃から街の人の不気味な死が始まっていく。さて、物語が動き出したところで下巻に。2024/03/23
ポルコ
15
キングの2作目初読み。死人は出るが真相にはほど遠い。吸血鬼が犯人と匂わせつつも、全く登場せずに上巻終了。とにかく文学的エンタメでドキドキ感も味わいつつ楽しみは下巻へ。2025/01/09
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