出版社内容情報
高家の屋敷に咲く冬桜の見物に出かけた磐音は、門前で騒動に出くわす。尚武館には、孫娘に手を引かれた盲目の老剣客が訪れて……。
内容説明
千鳥ヶ淵一番町にある高家の屋敷に、おこんらと冬桜見物へと出かけた佐々木磐音。屋敷の主が城下がりしてきたところに二人の武士が現れて、千宗易ゆかりの茶碗の返却を嘆願する。一人が抜刀する騒ぎとなり、止めに入る磐音だが、後日、その武士が自裁したことを知る。一方、尚武館には、見目麗しい孫娘に手を引かれた盲目の老剣客がやってきて…。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。著書多数。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
97
第29巻目は格式だけ高い大名が借りたものを返さないでだんまりを決め込もうとするトラブルを解決したり、道場に孫娘ときた盲目の老剣士のはなしです。老剣士はやはり刺客の一人で妖術を使ったりして映画を見ている感じになりました。楽しめます。2020/06/03
とし
80
決定版・居眠り磐音「冬桜ノ雀」29巻。磐音とおこんさん達と冬桜見物に出掛けたことから、千宗易の茶碗を高家に貸した返したの揉め事に巻き込まれ、後半は刺客孫娘と盲目の老剣士との死闘に結末は次巻のようです。2020/10/15
yamatoshiuruhashi
35
東映時代劇、そして忍術ブームの時のような「幻術」が出てきた。ここまで誇張はありながらも正統の剣劇小説と思って読み続けてきたので面食らってしまった。しかも本巻まででは、それが講談の児雷也のような幻術、妖術の扱いなのか、はたまたそれなりに理屈をつける話なのか、分からないままである。ちょっと消化不良ながら、読了。2020/05/16
うららん
14
盲目の剣術家、丸目高継とその孫娘。磐音の記憶する丸目高継は齢百ほどであるので本当は何者なのか謎が残る。夢にまで登場する所が不気味。2021/12/10
紅葉
12
今回は盲目の伝説の老剣士…もはや妖怪のような現れ方をするし、孫娘のような女の子は化け物のように強く、かなりの強敵。バタバタと刺客を倒してきた磐音もちょっと危ない。家基さまが危うく呪い殺されそうな事態にも…怖いですね。史実もあるし…家基さま心配。。そんな中で竹村さんの残念ぶりはかなりイタイ。お酒に飲まれるだけでなくオツムも大丈夫なのかしら?と心配になるレベル。結局奥さまに鈴を付けられるなんて笑ってしまいました。おこんは周りに出産が続き、赤ちゃんがプレッシャーになってきてる様子。負担にならないと良いけど。2020/10/11