出版社内容情報
ある旗本が刺殺され妻と奉公人が姿を消した。遺された一子の仇討ちに助勢するため、磐音は南町奉行所同心・木下一郎太と上総へ発つ。
内容説明
佐々木磐音は、南町奉行所定廻り同心・木下一郎太の相談を受ける。出入りの旗本家で、酒に酔い暴れた主人が殺され、その妻と奉公人が逐電したという。弱冠十三歳の嫡男・小太郎の仇討ちに助勢すべく、磐音は上総に発つが、小太郎の心は揺れている。母を見逃し助けるか、非情の処断で家を守るか。磐音が少年にかけた言葉は…。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。著書多数。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
94
今回は、ある旗本が酒乱の末殺されて妻と家来が出奔したということでその息子が仇討に向かうのを主人公が助けます。お家の存続を願うためにこの仇討ちを果たさねばならぬ息子の進駐がうまく描かれています。後半は、以前将軍を狙った暗殺者のひとりが主人公とあい対峙してしりぞけられるさまで次の暗殺者が控えている感じです。2020/05/21
とし
80
決定版・居眠り磐音「照葉ノ露」28巻。今回も一気読、武家の妻おこんさん、下町のおこんさん二面性、武士を捨てた武左衛門それを、なんだかんだと言いながら武左衛門を支える柳次郎さん、定廻り同心の木下さんと菊野さんの関係、覇王の剣を教える磐音さんと話題が盛りだくさんでした。2020/10/14
yamatoshiuruhashi
32
旗本の小さな跡取りによる仇討ち。利次郎の旅立ち。人は皆成長する時期がある。2020/04/16
うららん
12
竹村武左衛門と重富利次郎転機の巻。遂に西の丸へ剣術指導として上がった磐音は家基と表立って対面。2021/08/29
紅葉
10
13歳で仇討ち…手違いで主殺し犯となった師と、その彼と一緒に逃亡した母を殺さなくては、武士として生きていけないなんて…同じ歳の息子のいる身としてはやりきれなかったですね。その場に立ち会った磐音。こういう事まで頼まれてしまうけれど、13歳の小太郎にとっては磐音の人柄が心強かったでしょう。そしてとうとうダメダメ竹村さん、奉公先が決まり、なんとか落ち着きそうです。これで磐音の3人で駆け回った日々は終わりを迎えた感じですね。寂しい。。また家基さまの周辺の雲行きが怪しくなってきました。刺客も手強くなってきましたね。2020/10/10