出版社内容情報
出羽山形からの帰路、磐音は追手に襲われた若侍を助ける。江戸に戻った磐音は家基からのある要求を聞き、秘密裡に手筈を整え……。
内容説明
出羽山形からの帰路、俄雨の宿場で磐音は、追手に襲われた若い侍を助ける。江戸に戻り、おこんと出かけた先で出くわした南町奉行所の笹塚孫一からは、またもやっかいな頼みごとが持ち込まれた。一方、御典医の桂川からは家基の要望がもたらされるのだが、桂川の周囲にも、田沼派の黒い影が忍びよる。磐音が取った策とは…。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
95
山形から江戸にもどった主人公は、やはり様々な事件に巻き込まれます。そうでなくては面白くないのでしょう。南町奉行所から持ち込まれた案件などです。さらには以前からの念願であった次期将軍候補からの要望でうなぎをお忍びで食するという出来事があり、これに田沼の黒い手が・・・。楽しめます。2020/04/25
とし
76
決定版・居眠り磐音「石榴ノ蠅」27巻。出羽山形での帰途に騒動に巻き込まれながらも江戸に戻るが、南町奉行所の与力笹塚孫一から厄介な頼み事、次期将軍西の丸の家基のお忍び外出とのんびりさせてくれませんでしたね。 2020/10/12
yamatoshiuruhashi
31
山形からの帰り途、早速に騒動に巻き込まれながらも、次期将軍・西の丸の家基様のお忍び外出を計画する磐音達。将軍ともなれば適わぬ世情の視察を是非今のうちにと思案する側近、ブレーンたちの手助けをする。生き生きと描かれる町はまるで見てきたようだ。史実と整合するか否かに興味を持つ暇がない娯楽時代活劇。相変わらず宮戸川の鰻がうまそうだ。2020/03/23
うららん
16
霧子が大活躍。家基も念願の鰻をお忍びで楽しまれて良かったですね。刀を売り武家を捨てる覚悟の武左衛門はどうなるか。2021/06/30
紅葉
11
山形で奈緒の危機を救った磐音。おこんは磐音の帰りは嬉しいけれど、奈緒と磐音の仲を思うと心中穏やかでない。その磐音も江戸で落ち着く暇もなく、ほっとけない性格なのは分かるけれど、人様の揉め事に首を突っ込むし、南町与力笹塚には捕物の補佐を頼まれる始末。なんだかんだいっても磐音はおこんにベタ惚れだと垂れ流しているので大丈夫でしょう(笑)それと竹村さんがついに武士をやめてしまうのか、次回はその話に決着がつくのでしょうね。家基さまのお忍びも大変だけれども、普段自由のない家基さまの嬉しそうな様子にほっこりしました。2020/10/10