出版社内容情報
元は風烈廻りの与力で、理由あって隠居生活に入った清兵衛。若い侍が斬られる現場に出くわし、遺された友の手助けに乗り出すが……。
内容説明
町奉行所の与力だった桜木清兵衛は、とある事情から倅に家督を譲り、若隠居生活を送る。平穏が一番、と思って過ごす日々。しかし、若い侍が往来でいきなり斬りつけられた現場に居合わせたことで、遺された友の手助けをすることに。人生の機微を知り、与力時代から培った知恵と勘を働かせ、清兵衛が活躍する新シリーズの誕生!
著者等紹介
稲葉稔[イナバミノル]
1955年熊本県生まれ。脚本家・放送作家などを経て94年作家デビュー。書き下ろし時代小説の人気シリーズが多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
98
この作者は初めてです。新刊で本屋に平積みされていたのと後書きを見て読むことにしました。4つの話が出てきます。50歳で若隠居をした(昔でも50歳で若隠居なのかという気はしますが)主人公とその奥さんの日常が結構楽しそうに書かれています。池波さんの作品に似ているところはあるのですが鬼平などのように剣を使って悪を懲らしめる、という感じではなく人の心を救っていくような感じで楽しめます。続きも読もうという気になりました。2019/07/01
とし
79
武士の流儀 1巻。新シリーズタイトルは硬いが、風烈廻り与力を若隠居した桜木精兵衛さん、決して表には出ないが飄々と事件を解決します楽しみなシリーズになりそうですよ。2019/08/11
やま
69
① 若隠居した元町奉行所与力の桜井清兵衛の人情物語です。若くして隠居した清兵衛50才は、時間は十分にあり、体も元気であり、その上に風烈廻り与力として辣腕を振るってきた探索力と剣の腕、そして好奇心の強さと、人柄の良さで元町奉行所与力であることを言わずにひとりで事件を解決して行きます。風烈廻りとは、火災予防や市中に出没する不穏な輩を取り締まるために出役する掛です。→2023/01/19
真理そら
40
若隠居した元風烈廻り与力・桜木清兵衛が活躍する新シリーズ。乾物屋で買い物をしようとしたら事件に巻き込まれて…第4章『救いの神』が好きだ。妻・安江が鯵の干物と干し椎茸を買ってくるように頼んだ後「道草して遅くならないでください」と念押ししたのに、とても長い道草をすることになってしまった清兵衛。2019/06/08
kei302
31
次作が楽しみな新シリーズ。「武士の」と硬いタイトルだが、全く硬くない内容・展開。隠居した風烈廻り与力(52歳)と妻の会話が愉快。「道草して遅くならないでくださいまし」と毎回言われたり、頼まれた買い物を忘れて叱られたり。武士もたじたじ...。人の情を大切にしたり、犯罪はよくないことだが、見逃してやったり、その後、どのように生きてゆくべきかを諭したりする清兵衛が魅力的。2019/07/30