出版社内容情報
浪人・坂崎磐音の用心棒稼業は貧乏暇なし。盛夏、今津屋主人の内儀が倒れ、病の平癒を願う大山詣でに発つが、一行を付け狙う影が!?
内容説明
夏を迎えた江戸深川。浪人、坂崎磐音の用心棒稼業は相も変わらぬ貧乏暇なし。同じ長屋に住む婀娜っぽい女を行き掛かりで助けたことで、思わぬ“女難”を招き、一騒動に。そんな折、今津屋の内儀お艶が倒れた。病気平癒を祈るため、相州・雨降山大山寺詣でに発った今津屋一行を襲う不逞の輩。危機に相対し、磐音の剣が唸る!
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。著書多数。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケンイチミズバ
100
病のお艶さん、足の豆を潰したおこんさんと二人の美女を背負った磐音の優しさ、おこんさんの胸のドキドキが伝わってきそうだぞ。療養目的とは言え、大山詣での旅の様子がとても楽しく読めた。道中で江戸の大店一行と知れ、大金を持ち歩いていようと狙われる。が、野盗の類も磐音に成敗されてしまうための斬られ役設定だ。分かっていても面白い。悪キャラの中には堕ちた剣豪も。腕は五分と五分、刀の尺の違いが生死を分かつ。読者を飽きさせないストーリー。刀が役に立たなくなって久しい太平の世、剣豪への憧れ、勝負したい、そんな若武者も登場。2019/05/30
KAZOO
96
新版居眠り磐音シリーズの6巻目です。先日映画を見たのですが俳優陣がすごく松阪桃李や谷原章介、柄本親子が役割ぴったりの感じでした。この本では江戸での様々な事件に巻き込まれつつも解決して、両替商の主人夫婦の大山詣でについて行ったりします。再読ですがいつもながら楽しめます。2019/05/25
ナイスネイチャ
95
今回はお艶さんがメイン。今回は完全悪者ではない者との闘いもあり、違った感じ2019/08/18
とし
83
居眠り磐音・決定版「雨降ノ山」6巻。この巻だったんですね、今津屋の内儀お艶さんが病に倒れ亡くなったのは・・・それにしても毎回あっちこっちと忙しい磐音さんです、楽しく再読出来ます。2020/07/16
yamatoshiuruhashi
38
第6巻。今津屋主人夫婦にお供して大山詣りの磐音。舞台は江戸を離れるもののまた直ぐに戻ってくる。しかし磐音の体力の無尽蔵さには驚く。絵空事とは言いつつ余りに超人的過ぎる気もする。「東映娯楽時代劇」路線であると考えればそれもよし。今津屋のご内儀が癌に倒れその最後を看取ろうとする吉右衛門はじめ登場人物の面々の心もち。単純化された中に人の死を待つ辛さ、諦めが感情移入される。当時の風俗もわかり娯楽小説として良し。しかし、一巻5話。一話あたりに必ず斬り合いがある。全53巻、磐音は何人を斬る?2019/05/16