出版社内容情報
目立った実績もない崖っぷち声優の勇樹は人気野球アニメのオーディションに挑むも、射止めたのは犬の役。だがそこから上を目指す!
内容説明
二十代後半、目立った実績もなく崖っぷち声優だった結城勇樹に大きなチャンスが訪れる。人気野球マンガ『センターライン』アニメ化のオーディションに参加できたのだ。だが射止めたのは犬の役。収録では毎回リテイクで苦労しながら、カフェでバイトもしつつ、自らの信念「声で世界を変える」べく奮闘する。
著者等紹介
川端裕人[カワバタヒロト]
1964年兵庫県明石市生まれ。千葉県千葉市育ち。東京大学卒業後、日本テレビに入社。科学技術庁、気象庁の担当記者などを経て、97年に退社、フリーランスとなる。98年に『夏のロケット』で第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞を受賞。2018年に『我々はなぜ我々だけなのか』で講談社科学出版賞、科学ジャーナリスト賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
柊文庫本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本
116
若手声優の成長を描くお仕事小説。解説で本職の声優さんが語る通り、現場の雰囲気や声優という職業の抱える葛藤がリアルに描かれている。声優ファンなら分かる細かいネタも満載の作品。続編や後日談があっても良さそう。2019/09/06
佐島楓
66
犬の役としてレギュラーに採用された若手声優の奮闘記。スタジオ収録の様子に臨場感があってよかった。さらっとアニメを見ているだけでは知らない、わかりえない世界だった。それぞれに苦労も悩みもあるけれど、同じくらい達成感もある。地道に頑張らないといけないのはどの業界も同じだ。2019/05/11
シナモン
40
図書館本。声優さんの世界を舞台にしたお仕事小説。犬役でもここまで考えて演じてるんだとか、吹き込みのスタジオシーンでのマイクを巡るやりとりとか、アルバイト生活とか声優さんの裏側のリアルがよく分かった。主人公が犬役をゲットした時の喜び、その後の努力が若者らしく爽やかだった。2019/07/08
スプリント
10
お仕事小説&青春小説といった感じですね。 登場人物がみな好人物ばかりで爽やかです。2019/07/14
いりあ
9
川端裕人氏が2016年に発表した作品の文庫版。声優事務所預かり所属の若手とは言えない年齢に差し掛かった結城勇樹がやっと掴んだレギュラー作品で周りの人達との交流を通して覚悟を決めていくまでを描いた作品。いわゆるお仕事小説です。基本的に嫌な人が出てこないので、かなりあっさりした内容です。ちょっと難のある人がいたほうが印象に強く残った気がします。普段、アニメとか声優に興味のない人には不思議の国なんじゃないでしょうか。あとがきの池澤春菜さん(声優)の文章がとても良かった。2019/12/08