出版社内容情報
〝でぶ軍鶏〟こと利次郎、朋輩の辰平、雑賀衆女忍びだった霧子。磐音の弟妹ともいうべき若者たちの青春の日々を描く書き下ろし新作。
内容説明
土佐高知藩山内家の家臣の重富家に、次男・利次郎が生まれた。だが利次郎はやんちゃが過ぎて祖父の家に預けられることになる(「初恋の夏」)。一方、雑賀衆の姥捨の郷で育った霧子は、復讐の思いを秘めたまま、実の両親の仇である泰造に従っていた…(「霧子の仇」)。坂崎磐音の弟妹ともいうべき若者たちの青春の日々を描く連作集。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
92
居眠り磐音 「武士の賦」。利利次郎、霧子の幼少期、おこんさんと磐音さんの出会い、それぞれの過去と青春の生い立ちの物語、辰平さんの武者修行のきっかけも。2020/09/14
雅
47
軍鶏侍と霧子にスポットを当てたスピンオフ作品。本編に比べイイ意味で軽い感じが読みやすくて良かった。2019/07/18
はにこ
39
霧子と利次郎それぞれの幼年期を経て、尚武館で出会った二人。本編ではその頃は磐音とおこんの結婚、尚武館の跡取りとして磐音が決まった一番幸せな頃だったのかぁと思いを馳せた。でぶ軍鶏とやせ軍鶏の喧嘩も懐かしい。こんなに沢山の登場人物が居る話でよくも上手く辻褄を合わせたものだと作者に感心してしまった。2021/05/09
tengen
35
江戸双紙居眠り磐音のスピンオフ作品2弾。 佐々木道場門下のでぶ軍鶏こと重富利次郎と霧子。彼等の幼少期から互いが意識し合うようになるまでの短編5篇。2021/01/11
TakaUP48
35
磐音江戸双紙のスピンオフ。土佐高知藩家臣の重富家次男・利次郎が幼少時に殿様の池での悪戯が見つかる。それが元で祖父方に預けられ六年を過ごす。池から帰る際に手を繋いでくれた春乃に淡い恋心を。雑賀衆の姥捨の郷で育った霧子は、老人・九十七に祈祷を頼み己の過去を知る。父母を襲った泰造と行動を共にしながら仇討ちを狙う。日光での大納言暗殺計画のさなか弥助に救われ、家基一行と行動を共にし尚武館に住むことに。佐々木玲圓に依頼され、磐音は平林寺への代参と川越城下の観光へ。5人で出かけるも…事件が。霧子の「好き」が残るなあ。2019/10/05