出版社内容情報
豊後関前藩の若き武士三人が互いを斬る窮地に陥る。哀しみを胸に江戸での浪人暮らしを始めた坂崎磐音は陰謀に巻き込まれ……。
佐伯 泰英[サエキ ヤスヒデ]
著・文・その他
内容説明
豊後関前藩の若き武士3人が帰藩したその日に、互いを斬り合う窮地に陥る。友を討った哀しみを胸に、坂崎磐音は江戸・深川の長屋で浪人暮らしを始める。大家の金兵衛に紹介された両替屋での用心棒稼業で、やがて幕府をもゆるがす大きな陰謀に巻き込まれ…。平成を代表する超人気時代小説の“決定版”が、ついに刊行開始!
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。著書多数。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナイスネイチャ
116
前の出版社の時に気になっていたがシリーズがかなり刊行されていたので手を出さずにいたのですが、映画化されるのと加筆修正を機に手に。1章で引き込まれました。今後どうなるかもやっと予想しながら読了。毎月2巻づつ刊行されるらしく、忙しくなりそう。2019/05/02
ケンイチミズバ
114
面白くて半分ほど過ぎると読み終わるのが惜しくなり少しずつ読んだ。本当に強い人間はどんな作品でも気持ちが優しい。浪人でも恐妻家の殺し屋でも元公安の主婦でも元組員の探偵でも。守るべき人がいるからだ。冒頭の出来事があまりにも衝撃的で藩政改革の夢も頓挫してしまうが、二人の親友の分まで磐音には真っすぐ生き抜いて欲しい。あんまりな宿命を彼は独りで背負い、自分だけ幸せになることはできないと家督と愛する人と藩から離れた。正しいことをしようとするとそれを阻むものがある。それは今も昔も変わらない人間ドラマの構図とも言えるな。2019/05/22
KAZOO
108
決定版ということで、文春文庫から出版され始めました。2002年から3年前までに50数巻を出されていたようですが、細かいミスや勘違いなどを修正されていくようです。わたしは全巻読みましたが再度読んでいこうと思っています。字も大きくて年寄りにはいい感じです。映画化されて5月には公開になるようです。今回は江戸の出て長屋暮らしをはじめてその後に親しくなる人たちとの出会いがあります。2019/02/25
とし
92
決定版 居眠り磐音「陽炎ノ辻」1巻。坂崎磐音・河出慎之輔・小林琴平、備後関前藩の若者達帰藩した日に互いに斬り合い幼馴染み、許嫁、家を失いふたたび江戸に旅立ち、長屋暮らしの浪人暮らし、鰻割きと、用心棒稼業で生計をたてる主人公坂崎磐音テンポが速く面白く読めますよね。「居眠り磐音江戸双紙」の事は白紙にしてもう一度楽しく読み始めま~す。 2020/06/11
ALATA
75
藩の改革を実践しようとする磐音、琴平、慎之輔。希望を胸にかかえ豊後関前に帰る若手三人組に暗雲が立ち込め、武家社会の重苦しい仕来りに時が動き出す。陽炎のようにゆらりと立ち上る直心影流の使い手として様々な困難を乗り越えていく。皆さんお薦めの人気シリーズにとうとう手を出してしまったが面白い。捕物帳と違い、南鐐二朱銀を巡る田沼意次の経済政策が大きくうねるところは読み応えあった★5※おこん、金兵衛、今津屋。江戸廻りの登場人物が壮大な歴史小説の彩を結び始める。2023/11/17