文春文庫<br> MILK

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文春文庫
MILK

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  • サイズ 文庫判/ページ数 224p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167910624
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

恋をして求め合う。その普遍的な欲求は、時にあたたかく、時にスリリングに日常を照らす。生きることの輝く半分は、ここにある――。セックスは人間に贈られた よろこびなのか、呪いなのか――。





結婚して4年目の雄吾は、新入社員の泉希がまとう匂いに強く惹かれる。

それは、遠い初恋の記憶へとつながる匂い。けれど、妻の摩子にはない。

(表題作「MILK」)



一人息子を妊娠して以来、夫とはセックスレス。

このままでは三十代の十年間を一度もセックスしないですごすことになる、

と思った皆子は、同じような境遇の男性と関係を持つことを決意する。

「アローン・トゥゲザー」



結婚して七年になる直哉は、何気なく食事に誘ったアルバイトの女性と

帰り道でキスをしてしまう。はじめ驚いていた彼女は、

次の瞬間、思いもかけぬ提案をしてきた。

「いれない」



アメリカのブルーフィルムを上映している映画館で、

年上の女性と出会った男子高校生の一志。

彼女は脚本家で、AVの脚本を書く参考に一志の話を聞きたいという。

「水の香り」



誰もが当たり前に持つ欲望と、それが満たされるよろこび。

刺激的で幸福なエロスを、軽やかに描き出した恋愛小説短篇集。

石田 衣良[イシダ イラ]
著・文・その他

内容説明

結婚して4年目の雄吾は、新入社員の泉希がまとう匂いに強く惹かれる。それは、遠い初恋の記憶へとつながる匂い。けれど、妻の摩子にはない―(表題作「MILK」)。切実な欲望を抱きながらも、どこかチャーミングなおとなの男女たちを描く10篇を収録。切なさとあたたかさを秘めたエロティックな恋愛短篇集。

著者等紹介

石田衣良[イシダイラ]
1960年、東京生まれ。成蹊大学経済学部卒業。広告制作会社を経てフリーランスのコピーライターに。97年、「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。生き生きとした語り口と現在を映し出すエッジの鋭さが高い評価を受けた。受賞作に3篇を加えた『池袋ウエストゲートパーク』(文春文庫)でデビュー。2003年、『4TEEN』(新潮文庫)で直木賞を受賞。06年、『眠れぬ真珠』(新潮文庫)で島清恋愛文学賞、13年、『北斗ある殺人者の回心』(集英社文庫)で中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

107
石田衣良が、恋愛小説の枠を飛び越えて「性愛」への妄想を綴った物語です。氏の前作『SEX』の第二弾。官能作家が描く官能小説とはひと味二味違った感触で、フェミニストの石田らしい優しさとユーモアを感じます。笑いを交えながら楽しく読ませていただきました。10編の短篇ですから、年代層の違うセックスが描かれています。爽やかでファンタジーなものから、ちょっとマニアックなものまで…石田さんの妄想エンジンは全開です。2019/06/06

★グラスハート★

106
1.5 「性」の短編10編。 石田作品の性的な小説ってあまり好きじゃない。 石田氏にその辺の小説を求めてないのかもしれない。 言葉のチョイスや文章は相変わらず石田氏らしさがあり、素晴らしいんだけど…。 10通りの愛の形そして、夫婦の距離感や子供の有無により感じ方も違う。考えさせられる内容ではあった。2018/09/16

青蓮

101
たまに読みたくなる石田衣良さん。性をテーマに書かれた10編の物語。官能的な作品ですが全体的に湿度や温度は低めでお洒落な雰囲気。不倫やセックスレスの問題、思春期や青年期における性の目覚めと切ない程の憧れを軽いタッチで描く。性交は単なる本能的な欲望や子供をなすための行為だけではなく、体を使ったコミュニケーションであり、愛の存在を確認する行為でもある。人類が誕生し、文明を築き、高度に発展しながらも飽くことなく変わりなく絶え間なく続く、恐らく人類が消滅する最後まで繰り返される生と愛の営みだと思うと性の重みを感じる2018/06/01

まさきち

66
様々な関係の男女の、さまざまな形の関係をSEXに至るまでの時間に重きを置いて描かれた10編の短編集。それぞれの話は読み終わった際にはっきりと興奮させられていながらも、どこか爽やかな雰囲気につつまれてしまう感じでした。2020/08/19

キャプテン

47
★★★★☆_「キャプ探偵事務所の情報漏洩フェア」Case.03。【谷口皆子、37歳。夫婦の営みを失って久しい主婦が、いわゆる出会い系サイトに身を埋めた事例。この主婦の事例は特に、〝不倫〟という言葉の意味を考えさせられた。「倫」とは、人が修め、守り、辿るべき道のこと。不倫とはつまり、人が辿ってはならぬ道のこと。ならば、正しい道は誰が決めるのか。自分が決めても良いのではないだろうか。影で泣く人がいる、だから不倫を肯定するつもりはない。この事例の女性を見れば、もう自分が決めた道ならば何も言えなくなるだけのこと】2018/05/18

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