出版社内容情報
恋をして求め合う。その普遍的な欲求は、時にあたたかく、時にスリリングに日常を照らす。生きることの輝く半分は、ここにある――。セックスは人間に贈られた よろこびなのか、呪いなのか――。
結婚して4年目の雄吾は、新入社員の泉希がまとう匂いに強く惹かれる。
それは、遠い初恋の記憶へとつながる匂い。けれど、妻の摩子にはない。
(表題作「MILK」)
一人息子を妊娠して以来、夫とはセックスレス。
このままでは三十代の十年間を一度もセックスしないですごすことになる、
と思った皆子は、同じような境遇の男性と関係を持つことを決意する。
「アローン・トゥゲザー」
結婚して七年になる直哉は、何気なく食事に誘ったアルバイトの女性と
帰り道でキスをしてしまう。はじめ驚いていた彼女は、
次の瞬間、思いもかけぬ提案をしてきた。
「いれない」
アメリカのブルーフィルムを上映している映画館で、
年上の女性と出会った男子高校生の一志。
彼女は脚本家で、AVの脚本を書く参考に一志の話を聞きたいという。
「水の香り」
誰もが当たり前に持つ欲望と、それが満たされるよろこび。
刺激的で幸福なエロスを、軽やかに描き出した恋愛小説短篇集。
石田 衣良[イシダ イラ]
著・文・その他
内容説明
結婚して4年目の雄吾は、新入社員の泉希がまとう匂いに強く惹かれる。それは、遠い初恋の記憶へとつながる匂い。けれど、妻の摩子にはない―(表題作「MILK」)。切実な欲望を抱きながらも、どこかチャーミングなおとなの男女たちを描く10篇を収録。切なさとあたたかさを秘めたエロティックな恋愛短篇集。
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960年、東京生まれ。成蹊大学経済学部卒業。広告制作会社を経てフリーランスのコピーライターに。97年、「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。生き生きとした語り口と現在を映し出すエッジの鋭さが高い評価を受けた。受賞作に3篇を加えた『池袋ウエストゲートパーク』(文春文庫)でデビュー。2003年、『4TEEN』(新潮文庫)で直木賞を受賞。06年、『眠れぬ真珠』(新潮文庫)で島清恋愛文学賞、13年、『北斗ある殺人者の回心』(集英社文庫)で中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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