出版社内容情報
野犬に囲まれた夏の日の恐怖、アル中の母と住んだ少年期。歳月を突き抜けて甦える記憶と人生の深い思いを浮かび上らせた九つの短篇。
宮本 輝[ミヤモト テル]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カブ
44
昭和30年代を舞台にした表題作「真夏の犬」など8篇の短篇集。何よりも生きることが優先されているようなエネルギッシュな時代。男も女も、大人も子どもも必死だし、何もかもが一晩で変わってしまうような社会状況の中でも人は生きる。心の底から力が湧いてくるような短篇とは思えない重厚感。2018/04/29
@nk
41
1990年前後に書かれた9つの短篇。その多くに描かれるのは昭和30年代を生きる少年。いずれ大人になり世間を知る。表題作からなるこの新装版の表紙こそ、そんな彼らを象徴する姿なんだろう。きらびやかなことばかりではなく、受け入れ難く、目を逸らしたいことにも出くわす。逃げ場がないことを知り、見えない壁に拳を打つこともある。解説で森絵都がいうように、生きるとはつまり、そういうことなのだ。/知った場所も多く描かれていて、戦後の街並みを思い浮かべながらの再読了(約6年ぶり)。今回は特に「駅」がよかった。2024/10/31
るい
30
秩序もコンプライアンスもぶっ飛んだ昭和をリアルに描写してある、何とも言えない心地よさ。 短編それぞれカラーが違っててどれも良い!とはいかないけれどノブが随所に漏れ出ていて熊吾を時々感じながら読み進めた。それが何だか身悶えするような嬉しさで。ああ、まだまだ流転の海中毒からは脱出できなさそうだなわたし笑2019/06/09
Syo
22
そっか。 やっぱり…。 読んでた。 そりゃそうやろなぁ、 大好きな宮本輝の文庫本 やもんなぁ。 25年前か。 この読書日記も つけてないもんなぁ。 真夏の犬。 思い出したけど、 一応 最後まで読みました。 うまいなぁ。 考え落ちって感じ。2018/06/16
つきかげ🌙
15
短編集 多くの話に男女の性愛が関わっている。2024/02/18
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