出版社内容情報
幕府の軍事顧問だったフランス軍人ブリュネは、日本人の士道=エスプリに感じ入り、母国の方針に反旗を翻して戊辰戦争に身を投じる。
内容説明
フランス陸軍士官のジュール・ブリュネは軍事顧問として来日し、伝習隊の指導にあたっていた。大政奉還が行われ幕府の終焉とともにブリュネらも解任されるが、日本人の士道に感じ入った彼は母国の方針に反旗を翻し、土方歳三らとともに戊辰戦争に身を投じる。「ラストサムライ」のモデルを描いた感動大作。
著者等紹介
佐藤賢一[サトウケンイチ]
1968年山形県鶴岡市生まれ。山形大学教育学部卒業後、東北大学大学院文学研究科で西洋史学を専攻。93年『ジャガーになった男』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。99年『王妃の離婚』で直木賞、2014年に『小説フランス革命』で毎日出版文化賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
50
面白かったです。フランス人の立場から戊辰戦争が描かれていました。鳥羽伏見の戦いの後、帰国命令が出たにも関わらず、己の意志で戦争に身を投じていくブリュネの姿に感動させられました。ラスト・サムライのモデルがいたことを初めて知りました。2021/03/31
jin
4
最近上映中の幕末映画にもでていたジュール・ブリュネが主人公 エスプリを重んじるブリュネは読んでいて好感が持てる設定で、またフランス人の視点から幕末の政治情勢と日本人の気質を解釈して描いているので、他の幕末を題材にした小説とは異なる読み応えがあると思います。 2021/10/18
汲平
4
箱館戦争に身を投じたお雇いフランス人の軍事教官ブリュネ。奇跡的にどの国の植民地にもならずに幕末の動乱を乗り切った日本。その背景で交錯する諸外国の思惑。政治的な駆け引きと鮮やかな対比をなすブリュネの一本気が光りますが、歴史の流れの全体像からその行為の評価は難しい。物語としては心躍る大活劇で十分に楽しめました。2017/12/31
西村章
4
徹頭徹尾、侠気の物語である。江戸幕府軍事顧問団から鳥羽伏見の戦いを経て五稜郭へと身を投じるジュール・ブリュネも、彼と行動を共にする榎本釜次郎や大鳥圭介や土方歳三も、登場人物たちの義侠心と心意気がページをめくるたびに滾々とあふれ出してくる、熱いアツい入魂の物語でありました。近世日本最大の内戦である幕末から箱館戦争までの時代を描いた近年の小説作品では、船戸さんの『新・雨月』と本作が双璧、といってもよいのでないかな。佐々木譲さんの『武揚伝・決定版』も近いうちに読もう。2017/12/31
ksk
3
戊辰戦争150年ということで武揚伝に引き続き幕府に雇われたフランス人ブリュネの観点から戊辰戦争を描く本作を読んだ。戊辰戦争の流れを世界史のダイナミズムの中で描くのが非常に優れている作品である。特にウィーン体制からクリミア戦争が勃発して体制が崩壊する際、英仏が同盟してロシアを攻めたことと戊辰戦争のバックに控えている英仏関係を二重写しで外交戦争として描いているのが非常に面白い。 また、最後の展開はなかなかに面白く描かれている。なるほど、こういう解釈もあったら面白いかもな、と。だが個人的にはやはり今のままでいい2018/02/25
-
- 電子書籍
- 社内特別調査官 明智凛々子は諦めない!…