文春文庫<br> 復活祭

電子版価格
¥968
  • 電書あり

文春文庫
復活祭

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 512p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167908669
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

〈失われた10年後、あの男たちが帰ってきた! そのとき裏切られた女は……〉

80年代後半、土地と株の高騰に沸いた東京。バブルの絶頂期の都会を舞台に、若き「持たざるもの」の青春の暴走と破滅を描いた名作『生誕祭』。ボリュームを感じさせない疾走感と、入り乱れる男女の愛憎、最後まで敵味方のわからないコンゲームは、北方謙三氏からは「バブルという、現実に社会や人を狂わせた時代を、象徴的に描ききっている。時代の狂気を背景にすることによって、ノワールとも呼ぶべき新しいジャンルを主張」と評された。

そして10年後、再び主人公の彰洋と彼の敬愛する美千隆が動き出した。バブルが崩壊して10年、彼らが運命を狂わした女たち――麻美と早紀がすべてを失ってから10年の歳月を経て、どん底だった日本の経済は一部の産業の復活の兆しがみえている。インターネットという実態のないものに金が集まる、いわゆる“ITバブル”時代が到来したのだ。

「失われた10年」の雌伏後も彼らの夢は変わらない。マンハッタンにでかいビルを建ててやる――そのために選んだのが、IT産業だ。関連企業を立ち上げて目指すのは株式公開、その株の価値を上げて売買を行うだけで、実態を伴わない億単位の金が動く。バブル時代と同じように、彰洋と美千隆は新会社メディアビジョンを興すと休息もないままに動き回り、上昇は成功していくかに見える。しかし二人がかつて裏切り、現在はしがないクラブの雇われママの麻美はそれを許すはずがない。自分のパトロンであり詐欺師の桜田、そして彰洋の恋人だった早紀にも誘いをかけ、ふたりの儲けを掠め取る計画を開始する。

IT時代の寵児たちをも連想させる重要人物と、複雑な心情をお互いに抱く男女たち。いずれ土地バブルと同じようにはじける運命の時代の中で、勝ち抜くのはいったい誰か? 馳星周王道の裏切りと哀しみが躍動する、一級のエンタテイメント作品。

内容説明

バブル崩壊ですべてを失った彰洋。あれから10年、彼は敬愛する美千隆とともに再び動き出した。ターゲットはIT産業。関連企業を起こして株式公開し、株価をつり上げて売り抜ける―。だが夢を追うふたりの前に、かつて踏み台にした女たちが立ちはだかる。この狂ったゲームで最後に笑うのは、いったい誰か?

著者等紹介

馳星周[ハセセイシュウ]
1965年、北海道生まれ。横浜市立大学文理学部卒業後、出版社勤務を経て、フリーのライターに。96年『不夜城』でデビュー。98年『鎮魂歌(レクイエム)不夜城2』で日本推理作家協会賞長編部門、99年『漂流街』で大藪春彦賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Lara

92
まるでバブル期を彷彿とさせる、自分の金儲けしか考えられない、欲徳丸出しの人たちの、奮戦小説。お金のために、次々と人を裏切って行く、薄汚い世界のお話でした。2022/01/25

★グラスハート★

59
2.0 「生誕祭」の続編。不動産バブル崩壊から10年後、美千隆、彰洋はIT企業を設立し、株式公開を行い、金が金を産もうと企むのだが、過去裏切ったの女(麻美、早紀)に逆襲される。敵が味方で、味方が敵でコロコロ状況が様変わり。 某世間を騒がせたIT企業の買収劇のように買収買収の嵐の中そこでトラップをしくまれるのかと思ったら、最初の買収だけで終わったのが残念だったかな。美千隆、彰洋は生き残っているので続編の可能性はありますね。2021/11/13

巨峰

48
生誕祭より10年後、ふたたびめぐってきたバブルの季節。ふたたび暗躍する、美千隆、彰洋、麻美。騙し騙され抜き抜かれが面白いけど、お風呂落ちは・・・どうかなぁ。それにしても、目先の金ばかりで、会社だとか事業を育てていく視点が欠落している。バブルのあと、もう30年になるけど、お金を持っている人が金のことしか考えなかったらそりゃ、失われた30年にもなるわなと納得した。めちゃ面白かったです。2024/02/06

takaya

14
形だけのIT関連会社を立ち上げた男二人が別のIT関連会社を乗っ取ろうとして、巨額の富を得ようとするノワール小説。登場人物が互いに騙しあおうとする展開の錯綜した物語ですが、先がどうなるかと一気読みでした。馳氏の中では中くらいの出来の作品ですが、楽しめました。2021/12/30

タナー

11
バブルから崩壊から10年の年月が流れ、彰洋は敬愛する美千隆とともに新たな夢を追っていた……。しかし、彼らの前にはまたあの女たちが……。 続編というのはガッカリさせられることが多いものだが、さすがは馳星周。今作もハラハラする展開で楽しませて頂いた。あの早紀がねぇ…。麻美は相変わらずだったな。彰洋と恵には幸せになって欲しいなぁなんて思いながら読んでいたが、ラストはやっぱりこうなっちゃうんだ〜!?そりゃそーだよね。馳星周だもの。この物語の更に10年後……。どんな物語が待っているんだろ?2018/01/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11768214
  • ご注意事項