出版社内容情報
人気絶大なる時代小説のベスト&ロングセラー「鬼平犯科帳シリーズ」全24巻を、より読みやすい【決定版】で順次刊行中。
「何だ?」
「いえ……別に」
「何かいいかけてやめるということは、おもしろくもない」
「まあ、お気のむずかしいことを……」
「おれが、当ててみようか。いま、お前がいいかけたことを」
「およしあそばせ」
「年寄りくさいことを……と、そういいたかったのであろう、どうだ?」
「おそれいりましてございます」
「うふ、ふふ……」
冒頭の他愛もない平蔵と久栄の会話だが、この夫婦は実に自然に愛情表現をする。
そんな平蔵に少女の頃から密かな思いを寄せていた女密偵おまさ。
おまさへの、平蔵の粋なはからいとは。
密偵たちの関係が大きく動くシリーズ第9巻。
「雨引の文五郎」「鯉肝のお里」「泥亀」「本門寺暮雪」「浅草・鳥越橋」「白い粉」「狐雨」の7篇を収録。
巻末に、エッセイ「私の病歴 池波正太郎」を特別収録。
池波 正太郎[イケナミ ショウタロウ]
内容説明
女密偵・おまさと、かつては本格派の盗賊の首領であった大滝の五郎蔵。二人は平蔵の指示で一つ家に住み、盗賊の見張りを続けるが、その顛末は―(「鯉肝のお里」)。平蔵の愛犬となるクマとの出会いを描く名作(「本門寺暮雪」)ほか、「雨引の文五郎」「泥亀」「浅草・鳥越橋」「白い粉」「狐雨」の全七篇に、エッセイ一篇を特別収録。
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
大正12(1923)年、東京に生れる。昭和30(1955)年、東京都職員を退職し、作家活動に入る。新国劇の舞台で多くの戯曲を発表し、35年、第43回直木賞を「錯乱」によって受賞。52年、第11回吉川英治文学賞を「鬼平犯科帳」その他により受賞する。63年、第36回菊池寛賞受賞。平成2(1990)年5月3日没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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