出版社内容情報
北海道の小さな町で出会ったふたりの中学生は「ここではないどこか」に行くため、一緒にある「仕事」をして有名になることにした!自分がまがいものであることは承知の上で、スーパースターになって2010年代を疾走することを夢想する堂上弥子(どうのうえやこ)。耳の中で鳴る音に連れられ、どこかに行きたいというきもちがつねにうねっていた鈴木笑顔瑠(すずきにこる=ニコ)。
北海道の小さな町で運命的に出会ったふたりの中学生は、それぞれ「ここではないどこか」に行くため、一緒に「仕事」で有名になることを決める。その方法は弥子が後ろに回り、ニコが前面に出るというもの。最初の仕事は読書感想文コンクールでの入選。弥子が書いてニコの名前で応募した感想文は見事文部科学大臣奨励賞を受賞、授賞式にはニコが出席した。
ふたつめの仕事は、史上最年少で芥川賞を受賞すること。ニコの曽祖父の遺品の中にあった小説を弥子がアレンジして応募した小説「あかるいよなか」は、芥川賞の登竜門となる文芸誌の新人賞を受賞する。作品はその後順当に芥川賞にノミネートされるが、それは「てらさふ」仕事を続けてきた、ふたりの終わりのはじまりだった――。
てらさふ――とは「自慢する」「みせびらかす」こと。「てらさふ」弥子とニコがたどり着いた場所とは? 女の子の夢と自意識を描きつくした、朝倉かすみの野心作。
朝倉 かすみ[アサクラ カスミ]
内容説明
北海道のある町で運命的に出会った中学生「ニコ」と「弥子」。ふたりはそれぞれ「ここではないどこか」に行くため、共同で仕事をして有名になることにした。目指すは史上最年少の芥川賞受賞!周到かつ秘密の方法で作品は見事に候補となるが―。女子の抱く夢と現実、そして自意識を鋭く描いた傑作長編小説。
著者等紹介
朝倉かすみ[アサクラカスミ]
1960年、北海道生まれ。北海道武蔵女子短期大学卒業。2003年「コマドリさんのこと」で第37回北海道新聞文学賞、04年「肝、焼ける」で第72回小説現代新人賞、09年『田村はまだか』で第30回吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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