出版社内容情報
遊園地でアルバイトを始めた大学生のぼくは、幽霊屋敷に出没する殺人鬼と対決する……もう戻れない青春時代を美しく描く巨匠の新作。巨匠が放つノスタルジックで切ない青春ミステリー
遊園地でアルバイトを始めた大学生のぼくは、幽霊屋敷に出没する殺人鬼と対決する……もう戻れない青春時代を美しく描く巨匠の新作。
スティーヴン・キング[キング,S.]
土屋 晃[ツチヤ アキラ]
内容説明
海辺の遊園地、ジョイランド。彼女に振られたあの夏、大学生の僕はそこでバイトをしていた。そこで出会った仲間や大人たちとすごすうち、僕は幽霊屋敷で過去に殺人があったこと、遊園地で殺人を繰り返す殺人鬼がいることを知る。もう戻れない青春時代の痛みと美しさを描くキングの筆が冴え渡る!感涙必至の青春ミステリー。
著者等紹介
キング,スティーヴン[キング,スティーヴン] [King,Stephen]
1947年、アメリカ、メイン州生まれ。高校教師を経て、1974年『キャリー』で作家デビュー
土屋晃[ツチヤアキラ]
1959(昭和34)年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
245
スティーヴン・キングは数十年に渡って読んでいる作家の一人です。本作は少し昔のキングに戻った感じで、ノスタルジーな青春ミステリーです。遊園地でホラーハウスという材料もあるので、もっと怖い話かなと思ったのですが・・・次作のミスター・メルセデスに期待します。2016/08/08
Tetchy
180
キングは本書でも運命の出逢いとも云える人物との交流を描き、感動的な物語を紡いだ。しかし年の離れた男たちの友情を決して普通に描かない。恐怖のエッセンスを加えるのだ。ジョイランドの幽霊屋敷で起きた若い女性の殺人事件と幽霊譚を絡ませ、どこか不穏な空気を纏わせて進行していく。それはホラー作家であるという矜持とスイカに塩を掛けるとより甘く感じるように、感動に恐怖というスパイスを加えることで味わいが深くなることを狙っての演出なのだろう。ただ結末は『11/22/63』のもう1つのそれだったのではないかと思えてならない。2025/02/01
KAZOO
172
キングの最新の文庫本です。いままでダーク・タワーシリーズを読んでいるのでこの本を読むと昔のキングの本を思い出しました。若干ほっとしたような気もします。中年の語り手が大学生当時、1973年の頃にあった連続殺人事件の犯人を見つけるという話です。場所は結構大きな遊園地で、青春時代の思い出がありという「スタンド・バイ・ミー」やブラッドベリの作品を思い出しながら読みました。ほろっとするところもあったりします。いい本でした。2016/07/21
sin
133
初っぱなのメロウな自己憐憫はいただけない感じで、表現がノスタルジックにすぎてキング御大?大丈夫…と、危惧して読み進んだけど、その筆は憎たらしいほど揺るぎなく、ミステリーと云うには犯人が明確で教科書通りと言いたいぐらいベーシックな筋立てやら、珍しく控えめなスーパーナチュラルすら匠の技で、おまけに結末を過ぎてわかっていたはずの最後のシーンを目の前にして心が揺さぶられました。2016/09/24
ちょろこ
129
終盤が良い一冊。失恋したての大学生、デヴィンがアルバイトに選んだのは海辺の遊園地、ジョイランド。過去には幽霊屋敷で殺人事件もあったらしい。そして幽霊がいるらしい。そんな不穏な環境の中で、デヴィンが出会いを経験し、さまざまな体験をするストーリーはなかなかの心地良さ。遠い昔の自分をくすぐられる感覚だった。脚の不自由な少年との出会いが大きな波をもらたらす終盤が秀逸。美しさとかけがえのない、思い出の魅せ方がキュッとくるのが良い。青春という"時"をベースにちょっとホラーでせつないミステリは文句なしに好きなテイスト。2024/06/02