出版社内容情報
米国の若き海軍史家が“日本が戦争に勝っていた百八十日間”を日米双方の視点から描く。米主要紙絶賛の、まったく新しい太平洋戦史。
攻撃か、防御か。戦力か、情報力か
米国の若き海軍史家が“日本が戦争に勝っていた百八十日間”を日米双方の視点から描く。米主要紙絶賛の、まったく新しい太平洋戦史。
内容説明
機動艦隊で真珠湾を急襲する。日本海軍の鬼才、山本五十六の創案した革命的手法により、太平洋戦争の火蓋は切って落とされた。迎え撃つのは米海軍の英才チェスター・ニミッツ―。アメリカの若き海軍史家が日米の資料を駆使して重層的に描く、まったく新しい太平洋戦争。これが「日本が戦争に勝っていた180日間」の真実だ。
目次
序章 海軍のバイブル
第1章 真珠湾は燃えているか
第2章 ドイツと日本の運命を決めた日
第3章 非合理のなかの合理
第4章 ニミッツ着任
第5章 チャーチルは誘惑する
第6章 不意を打たれるのはお前だ
著者等紹介
トール,イアン[トール,イアン] [Toll,Ian W.]
米国サンフランシスコ在住の海軍史家。2006年の『6隻のフリゲート艦 アメリカ海軍の誕生』(本邦未訳)で数々の賞を受賞
村上和久[ムラカミカズヒサ]
1962年札幌生まれ。早稲田大学文学部卒。海外ミステリの編集者を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
280
アメリカ人から見た日米戦争の歴史書。アメリカの都合の悪いことを書く一方で日本側もこき下ろすというまだフェアな視点だった印象。本書は日本が勝ってた時期を中心にピックアップされているからアメリカ海軍のドタバタぶりが目についた。山本五十六も海軍史から見たらすごい功績だったんだと知った。2016/05/01
かずお
12
★★★☆☆ レポートみたいな書き方だけど、内容は面白い。初期のアメリカ軍はグダグダだったんだなぁ。2016/08/09
tsune105
4
真珠湾攻撃前夜からミッドウェイ海戦までの「戦艦至上主義の思想背景」、「指導者層としての昭和天皇」、「血なまぐさい現場単位」など、日米両者の立場を偏りないバランスで、著述されている。 1つの海戦だけ描く戦記物と異なり、強国アメリカを窮地に追い込んでいたというノンフィクションの本作は、新鮮で素晴らしい。 欠点は、翻訳が非常に悪い。 印象あるのは、戦闘機の事実上の名称ではなく、日本メーカー名+型式というのは、本当に分かりづらい。 名著と断定できるのは、原書が素晴らしいため、アメリカの危機(対策)管理から、逆転に2016/10/13
nagoyan
3
優。米国側から見た太平洋戦争。それも、勇ましい成功譚ではない。彼らの側もうまくいっていなかったんだ。序章で日米両海軍国におけるマハンの影響を、1章では真珠湾当日、2章で日本の開戦時攻勢、3章で山本ら日本海軍、4章でニミッツ、5章で英帝国の思惑、6章でハルゼーの部分的反撃を描く。日本敗北という結果から、開戦時の陰謀論を主張する者は本書を読むといい。米は、大変な犠牲を払った。そして、これからも払うことになる。2017/03/13
ちょこも
1
読もう読もうと思いつつ、先延ばしにしていた本書、ようやく購入して読み始める。太平洋戦争関連の本は結構読んでいるものの、日本人による分析・反省的著作が多かったので、内容・スタイルとも新鮮。山本五十六他、反戦的姿勢を持っていた将官クラスについての描写が詳しい。感想は取りあえず上下巻一気に読んでから。2020/07/03