出版社内容情報
かつて友人を辞任に追い込んだエース記者に、最大の敵が襲いかかる。視聴率、スキャンダル、政権の番犬。テレビの現場を抉った長編。
敏腕記者vs怪物総理 迫真の報道小説
かつて友人を辞任に追い込んだエース記者に、最大の敵が襲いかかる。視聴率、スキャンダル、政権の番犬。テレビの現場を抉った長編。
内容説明
失言を誘う挑発インタビューを武器とする、首都テレビの敏腕記者・岡村俊平。かつて辞任に追い込んだ政治家が「怪物総理」となって再び彼の前に立ちはだかる。視聴率絶対主義者、アナウンサーのスキャンダル、政権の番犬幹部たち―。報道現場を知り尽くした現役キャスターだからこそ描けた迫真の長編小説。
著者等紹介
松原耕二[マツバラコウジ]
1960年生まれ。早稲田大学卒。84年TBS入社。「筑紫哲也NEWS23」「報道特集」ディレクター、97年から2001年まで「ニュースの森」のメーンキャスター。その後NY支局長として米国赴任。帰国後「NEWS23クロス」のメーンキャスター。現在、BS‐TBS「週刊報道LIFE」のメーンキャスター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よう
14
現役キャスターが書いた、報道記者が主人公の小説。当然テレビ局のことやニュース番組についてはリアルなんだろうけど、娯楽性のある小説になってて、そこが良かった。経験談に「ちょっと都合良くフィクション混ぜました」というより、ちゃんとフィクション性で物語を引っ張ってる。物語の根幹であるインタビューを、人を興奮させるものとして描いているのが特異な所(エピグラフの言葉にもあるし、作中「官能」とも表現されている)。同時に、誰にでも共通する“他者とのコミュニケーション”話ともとれる(→)2016/03/03
チェアー
12
いやあ、テレビ記者の余技とたかをくくったら大間違い。面白い。インタビューがテーマ。言葉が人を傷つけ、殺し、再生させる。でもそれだけではなくて、プロならではの細かい点への心配りがさすが。時間を知るには相手の時計を見るとか。犬や月というモチーフも繰り出して、小説らしくなっている。巻末のクライマックスに向けてはどう終わるのか展開が読めず、緊張した。参りました、松原さん。2016/03/27
氷柱
6
1128作目。1月1日から。報道陣の目線から政治の一端を見せてくれる小説作品。細かい所が解決されないままどんどん物語が進んで行くのはご都合主義というよりかはむしろ生々しさを感じる。しかしどことなく割り切れないものを覚えたのも事実。映画化するにはちょうど良いテンポ感であったように思える。2025/01/03
こけこ
4
初めのうちは、ダラダラと読んでいました。が、後半。とても面白くて一気に読みました。読み終わった後の爽快感は、すばらしいです。2016/03/28
ちゃんむねZWSN
4
休日に5時間ほどで一気読み。作品中の『藤堂総理』のモデルは誰だろう?と思いながら読んでいたが、ピタリと当てはまる人物は分からなかった。著者は現職の在京キー局の報道記者で、単行本の上梓が'13年であることを考えたら、執筆当時には昨今の政府与党によるテレビ報道への圧力・世論操作の実態を予見していたのだろうか。その生々しさを期待してると物足りない作品かも。もう一つのテーマ、仕事人間である記者・岡村とその家族との交流は、暖かいエピソードもありつつの、物語としてはまあいいんじゃないの?そんな無難な感想です。2016/02/21
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