文春文庫<br> 犬の証言―ご隠居さん〈3〉

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文春文庫
犬の証言―ご隠居さん〈3〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 271p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167905293
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

五歳で死んだ一人息子が見知らぬ夫婦の子として生れ変ってた? 愛犬クロの行動に半信半疑の両親は…梟助が様々な「絆」を紡ぐ五篇。

鏡磨ぎの梟助じいさんが大活躍するシリーズ第三弾!

五歳で死んだ一人息子が見知らぬ夫婦の子として生れ変ってた? 愛犬クロの行動に半信半疑の両親は…梟助が様々な「絆」を紡ぐ五篇。

内容説明

「ねえねえ梟助さん、聞いて聞いて」話し上手で聞き上手の鏡磨ぎ師・梟助じいさんは今日もひっぱりだこ。五歳で死んだ子供が別の夫婦の子として生まれ変わっており、飼い犬が思わぬ証言をした!?という噂から、犬が人に、人が人に生まれ変わったらと思わぬ方向へ話は広がり…切なくも温かいシリーズ第三弾。

著者等紹介

野口卓[ノグチタク]
1944年、徳島生まれ。1993年、一人芝居「風の民」で第3回菊池寛ドラマ賞を受賞。2011年「軍鶏侍」で時代小説デビュー。書き下ろしの同作は、歴史時代作家クラブ新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤枝梅安

70
シリーズ3作目。短編5編。「生まれ変わり」の話は、あまり面白さを感じなかった。5編目の「百物語」、越後屋の主・富右衛門に誘われて、百物語に参加した梟助は、鏡にまつわる怪談を語り一座を感心させる。さらに、自分を育ててくれた喜助から聞いた話を、出所をぼかして語ったところ、同席していた一人がその話に興味を持ち、後日面会する。梟助の出自にまつわる秘話を通して、運命の過酷さや、それを乗り越えて生きる人の営みをしみじみと描いた秀作である。「軍鶏侍」、「朽木組」の新作が待ち遠しい。2016/02/20

baba

31
ご隠居梟助がお得意と交わす話し、特に落語がらみは楽しい。「犬の証言」の生まれ変わりはつい最近どこかで読んだ話し(耳袋秘帖だったかな)。妻の生まれ変わりや自身の生い立ちがわかる後半はしんみりと心に響く話しでした。2016/03/23

ひさか

26
2016年1月文春文庫刊。書き下ろし。シリーズ3作目。犬の証言、ススキの木兎、幸せの順番、コドモルス、百物語、の5つの連作短編。梟助の蘊蓄語りとお客さんの語りで構成される話は興味深く面白い。「幸せの順番」の続きが知りたくなる。梟助の出自が「百物語」で解明されとても満足。続きものを読んでる醍醐味です。良かった良かった。2021/09/26

ケイプ

21
ご隠居さんシリーズの第三弾です。『ねえねえねえ、梟助さん。聞いて聞いて聞いて。』今日も梟助さんの鏡磨ぎを待っている人がいます。落語にあまり馴染みのない私もその一人かもしれません。今回はふとしたことで梟助さんの出自が明らかになります。鏡磨ぎをしながらの話だけで終わらないところがまたいいです。2016/03/03

onasu

17
道楽でもないが、鏡磨ぎをして回っている「ご隠居さん」の三作目は、趣向を変えた作品も混ぜてきたかと思ったら、設定を動かそうともしている。  これまでのご隠居:梟助さんは、物知りな上に話し上手で聞き上手。けれど身元が割れないよう用心して、毒にも薬にもならない好々爺の様でもあったが、少〜し血の巡りをよくしたか。  最終話では、強引に誘われてだが、用心しながらも百物語に参加して、思わぬことに巡り会う。百物語が定例の場になるなら、それも楽しみだ。  ハマさんが存命でも、鏡磨ぎを許してくれたろうな、とふと思った。2016/02/04

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