出版社内容情報
国家権力の及ばぬ〈途鎖国〉。特殊能力を持つ在色者たちがこの地の山深く集うとき、創造と破壊、歓喜と惨劇の幕が切って落とされる!
恩田ワールド全開のスペクタクル巨編!
国家権力の及ばぬ〈途鎖国〉。特殊能力を持つ在色者たちがこの地の山深く集うとき、創造と破壊、歓喜と惨劇の幕が切って落とされる!
内容説明
国家権力の及ばぬ“途鎖国”。特殊能力を持つ在色者である実邦は、身分を隠して途鎖に入国した。闇月といわれる時期、途鎖では多くの者がある目的をもって山深くを目指すが、実邦の周囲にも不穏な空気が満ちる。謎の殺人者、恩師が残したメッセージ、隠された過去の悲劇…。そしてついに創造と破壊の幕が切って落とされる!
著者等紹介
恩田陸[オンダリク]
1964年宮城県生まれ。早稲田大学卒。92年日本ファンタジーノベル大賞の最終候補となった『六番目の小夜子』でデビュー。2005年に『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞と第2回本屋大賞を受賞し、06年には『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞(長編部門)、07年には『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
207
『ウラ、ウチ、ヌキ、イロ、ソク、フチ、タマゲ、カケラ』まったくもって意味不明なこれらの言葉がほとんど何の説明もなく上巻の400ページを駆け抜けるストレスフルな我慢の読書。『葛城は、宙に浮いていた』、まるで常野の人々の如く不思議な能力を持った人々『在色者』、その在色者が入国を禁じられている途鎖国。いきなりの摩訶不思議な展開に不意打ちを食らいます。そう、これは恩田さんのファンタジーの世界。これこそが恩田さんの真骨頂。読者の想像力がめいっぱい試されます。こんな疑問あんな疑問が膨らむ一方の上巻。下巻も楽しみです。2021/08/29
眠る山猫屋
67
予備知識無しでスタート、途鎖は土佐をイメージしてるわけね。日本の中の半独立国のような途鎖。列車で入国する一人の女性のヒリヒリするような体験。情報が極端に抑えられた故の臨場感が凄い。禁断の山で何が待ち受けるのかわからないが、山に向かう主人公たち、殺人鬼、宿敵の入国管理官、それに少年。思いの外強い黒塚さんも山に向かうのかな?今のところ、主人公より周りの皆さんが魅力的。でも大半にフラグ(幡)が立ってみえます。2018/06/18
ばう
61
★★★★日本国内でありながら、その権力の及ばない〈途鎖国〉を舞台に繰り広げられる特殊能力をもつ者達の物語。こういう話を書かせたら恩田さんの右に出る人はいないのでは?いやもう、本当に怖いです。誰が味方なのか、あるいは全て敵なのか?年に一度の闇月に山では何が起こっている?この国に入った実邦の本当の目的は?そしてその恩師が残したメッセージとは何?本当に怖くてたまらないんですが、この先が早く知りたくて下巻へ参ります。後はいつもの恩田さんによくある「へっ?どういう事⁉︎」みたいな終わり方にならない事だけを願って。2020/05/19
佐島楓
61
この独特の不穏な感じ・・・たまらない読者も多いはず。下巻へ。2016/01/26
NAO
60
妖しげな国で起こっていることの全容がわかるのがこの巻の最後の方になってからといういきなりぐいっと引きずり込まれる怒涛の恩田ワールド。まだよくわからないことの方が多すぎて、気になってやめられない。2024/03/11