出版社内容情報
恋に仕事に疲れている人に読んでほしい江戸人情時代小説
勘当され行方知れずとなっていた兄・紀兵衛と再会したおりん。喜びもつかの間、紀兵衛が染師毒殺事件の犯人として捕縛されてしまう。
内容説明
京の呉服商「更紗屋」の跡継ぎになりたくない、染師になると言って勘当され行方知れずとなっていたおりんの兄・紀兵衛。その兄と神田で再会したおりんは更紗屋再建の望みを兄に託そうとするが頑なに拒否される。そんなある日、兄の修業先・神田紺屋町で毒殺事件が起こり、その犯人として紀兵衛が捕縛される。
著者等紹介
篠綾子[シノアヤコ]
1971年埼玉県生まれ。東京学芸大学卒。第4回健友館文学賞受賞作『春の夜の夢のごとく―新平家公達草紙』(健友館)でデビュー。短篇「虚空の花」で第12回九州さが大衆文学賞佳作受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
81
シリーズ3弾!お兄さんとの再会を喜んだのもつかの間、え~って、ドキドキ。まだ、悲しみは続くのかと思っちゃったよ(汗)更紗屋再興の道のりは果てし無く長い。だが、蓮次とおりんの気持ちが確認されて滅法界嬉しいです❤まだ、3作目なのだが、『みをつくし』に重ねてしまう自分がいるのはどうしても否めないなぁ。多分、次巻も読むのだが(笑)題材は面白いのですよ!(キッパリ)2015/11/27
優希
47
ミステリー色が強めですね。行方知れずの兄と再会できたと思いきや、兄の修行先での殺人事件。おりんの願いより自分のことを優先するのですね。おりんが何だか儚げに見えました。2021/04/06
ユメ
38
父に勘当されたきり行方をくらましていた兄の紀兵衛と再会を果たし、更紗屋再興を目指すおりんに大きな転機が訪れるシリーズ第三作。さらに、紀兵衛が働いている紺屋町で殺人が起こったことから、この巻はミステリ要素も帯びている。とある人物の正体が二転三転するのなど、目が離せない。タイトルにもなっている重要なモチーフ、風車の使い方が巧いと舌を巻いた。風車は、おりんにとっても染物師の拾吾にとっても親との思い出が詰まっている。くるくる回る紅は読者の目に焼きつき、肉親を失った孤独、そしてそれでも自分の足で進む強さを心に残す。2018/02/02
はにこ
28
勘当された兄、紀兵衛と再会。紀兵衛の働く紺屋町での毒殺事件。今回はミステリー仕立てだった。結局、後ろ楯は誰だったのかなぁ。。茂吉や、末続、紀兵衛の目指すところができる。更紗屋は再興できるのか、桜木との恋はどうなるのか先が気になる。2021/07/08
のびすけ
19
更紗屋おりんシリーズ3作目。染師が殺された事件を巡る拾吾の物語が展開する。おりんの兄・紀兵衛、蓮次らと事件の真相を探る。ん~、更紗屋を再建するおりん自身の物語を読みたいー!ラストのおりんとお長ちゃんがお揃いの浴衣を着て大川の花火を見る場面は印象的でよかった。おりんと紀兵衛のそれぞれ目指すものが定まったようだし、そろそろ更紗屋再建のストーリーが展開することを期待します!2020/11/11