出版社内容情報
ハダカデバネズミとの心躍る対面。同郷のスケーターの演技を見る感動。永眠した愛犬ラブと暮らした日々。創作の源泉を伝える46篇。
本と散歩ですべてのりきれる。珠玉の随筆集
ハダカデバネズミとの心躍る対面。同郷のスケーターの演技を見る感動。永眠した愛犬ラブと暮らした日々。創作の源泉を伝える46篇。
内容説明
私が不安を愛犬・ラブに打ち明けると、彼はグイとリードを引っ張った。“ひとまず心配事は脇に置いて、とにかく散歩いたしましょう。散歩が一番です”。ハダカデバネズミとの心躍る対面、同郷のフィギュアスケーターを見て流す涙、そしてラブとの別れ。本の思い出とともに創作の源泉を明かす珠玉のエッセイ。
目次
「る」と「を」
ハンカチは持ったかい
イーヨーのつぼの中
本の模様替え
散歩ばかりしている
ポコポコ頭を叩きたい
盗作を続ける
長編み、中長編み、長々編み
肉布団になる
自分だけの地図を持つ〔ほか〕
著者等紹介
小川洋子[オガワヨウコ]
1962年、岡山県生まれ。早稲田大学文学部文芸科卒業。88年、「揚羽蝶が壊れる時」で第7回海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」で第104回芥川賞を受賞。2004年、『博士の愛した数式』が第55回読売文学賞、第1回本屋大賞を受賞。同年、『ブラフマンの埋葬』で第32回泉鏡花文学賞を受賞。2006年、『ミーナの行進』で第42回谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
225
元々は毎日新聞に掲載されていたエッセイをまとめた本書。洋子さんが出会った、又は体験した出来事等について綴られます。でも、それが脳内で大きくて咀嚼されている様で、通常とは全く違う側面、新しい形のものとして書かれているものも多くある様に思います。小説の独特の世界観は、こうして生み出されているのかなぁと、思う次第で御座います。また、生物や宇宙観測の分野にも関心を寄せられてお見えの様で。いいよー( ¨̮ )。更に、様々な書籍に絡めるエピソードも多くて良いなぁー( ¨̮ )。2022/06/10
KAZOO
181
小川さんが新聞に連載されていたエッセイを1冊にまとめたものです。小川さんのいいところは読んでいて方の力が抜けていて非常に読みやすい気がします。さまざまな作家についての本やあるいは亡くなってしまった犬のことが非常に印象に残りました。ほろっときてしまいます。2017/04/18
じいじ
122
日常の一端をを切り取る鋭い観察眼を感じるエッセイ。一篇一篇の最後のオチの1行が気持ちいいです。本屋にもよく行くようです。背表紙のタイトルだけで衝動買いする著者。「一瞬星がきらめくように恋におちる」そうです。不肖私もそこまでのひらめきはありませんが共感します。涙もろさは祖父譲り…。英語への恐怖感…。親離れ、子離れについて…、など。面白話がたくさん詰まっています。文中、数多くの本が登場、読みたくなる本も…。読書家の片鱗が垣間見えます。さわやかな読み心地、そして心に沁みるエッセイでした。2018/01/18
buchipanda3
112
洋子さんが日常の中でふと気にとめた事柄を題材にしたエッセイ集。そのテーマに沿って愛犬との日々や子供時代の思い出など様々な著者のエピソードが散りばめられており興味深く読めた。中には読書ガイド的な要素も。読み通して感じたのは著者の飾らない優しい眼差しが文章から滲み出ていること。それはただ優しいというばかりではなく、大切なことを誤魔化さずにしっかりと見つめる強さもあった。特に老いた愛犬ラブへの色々な感情の交わりが印象に残る。そしてどの話も洋子さん節を感じた。あと著者がかなりのタイガースファンということも知った。2022/01/06
ふう
78
おだやかで心地のよいエッセイでした。物静かな人という印象をもっていたのですが、その静かな眼差しで、周りにある美しいものややさしいものを見つけ、そっと心の中の小箱にしまって大切にしているのですね。イーヨーが割れた風船を大事につぼにしまうように。両親や子どもによせる思い、愛犬ラブへの思い、出会った本や人への思いがとても控えめに語られていて、わたしも残された時間、そういう眼差しや思いを忘れずに生きていきたいと思いました。 出てきた本の題名もきれいで(不思議で)、読書心をくすぐります。2015/07/19
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- 和書
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