出版社内容情報
「常識」つまり生活の行動規範とそれを基とした事象への判断を取り上げ、国際化時代の考え方を説く。今こそ現代人が読むべき啓蒙書。
あなたの「常識」、本当に合ってますか?
「常識」つまり生活の行動規範とそれを基とした事象への判断を取り上げ、国際化時代の考え方を説く。今こそ現代人が読むべき啓蒙書。
内容説明
戦前・戦後を通じていえることは「権威は消えたが常識は残った」である―われわれの日常生活の行動規範であり、それに基づく判断の基準となる「常識」について、様々な角度から考察する。「常識」の違いにより生じる国際社会での誤解など、現代を生きる私たちが今こそ知っておくべき「教訓」を指し示す貴重な一冊。
目次
1 国際社会への眼(シオニズムと風土;北と南のはざまにて ほか)
2 世論と新聞(原発と新聞報道;宣伝戦と新聞 ほか)
3 常識の落とし穴(「変節」とは何か;再び「変節」について ほか)
4 倫理的規範のゆくえ(「で」で食っても「を」で食うな;「自由」とは ほか)
5 島国の政治文化(「派閥」と政治文化;保革交代劇 ほか)
著者等紹介
山本七平[ヤマモトシチヘイ]
大正10(1921)年、東京に生れる。青山学院卒業。昭和33年山本書店を創立、その後精力的な執筆活動に入る。平成3年12月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
25
淡々とした書きぶりですが、書いていることはじっくりと考えたくなる話がいくつかありました。「世論と新聞」「倫理的規範のゆくえ」が面白かったです。2022/09/09
ほじゅどー
10
★★★★本来、情報は自己の感触と違うものほど価値があり、同じなら無用である。この事が無視され、人が自己の感触と違うものを拒否すると、人は盲目同然となる。情報が氾濫すればするほど逆に人々は自己の感触を絶対化していく。各自がそれぞれ自分で感触し得る世界にだけ住み、感触し得ない世界とは断絶する。情報の氾濫が逆に情報伝達を不可能にしていく。本人は多くの情報に通じ、社会の様々なことを知っていると言う錯覚を持つ。この点で最悪のケースを呈しているのが日本。2018/06/24
人工知能
9
「情報は受けとる側にその意志がなければ伝達は不可能である。この前提を無視した上でその社会に情報を氾濫させ、取捨選択を各人の自由にまかせれば、人びとは違和感を感じない情報だけを抜き出してそれに耳を傾け、他は拒否するという結果になる。それは結局、その人の感触の確かさを一方的に裏づける作用しかないから、情報が氾濫すればするほど、逆に、人びとは自己の感触を絶対化していく。これは結局、各自はそれぞれ自分で感触し得る世界にだけ住み、感触し得ない世界とは断絶する結果となり、情報の氾濫が逆に情報の伝達を不可能にしていく」2017/03/16
おっくー
6
空気の研究に引き続き買った本。いきなり、国際情勢から始まり、しかも、中東の話。少し混乱しました。しかし、常識とはどこに基準を置くのかが非常に難しい。文中にもありましたが日本語の壁という表現で的を得ており、考え方、視野が広がりました。後半は著者の鋭い見識、切り口であり、勉強になりました。2015/10/12
讃壽鐵朗
5
1970-80年代の話題以外の、時代と関係ないものだけ読んだ。現代に評論家としていたらどんなことを書くのだろうか。2022/05/05