出版社内容情報
ザリガニを釣って食用とする赤貧生活を送る准教授クワコーを見舞った2つの怪事件。答案用紙と女子大生の水着はなぜ消失したのか?
芥川賞作家が贈る脱力ミステリ、夏の事件簿登場
ザリガニを釣って食用とする赤貧生活を送る准教授クワコーを見舞った2つの怪事件。答案用紙と女子大生の水着はなぜ消失したのか?
内容説明
夏。文芸部の女子学生を引き連れて海に合宿へ赴いた桑潟幸一准教授に怪事件が降りかかる。女子部員の水着が消失、羽衣伝説のある岩で発見されたのだ。日頃の行ないゆえ、容疑はクワコーに!表題作と、答案用紙消失の謎をめぐる「期末テストの怪」を収録。笑いの地雷を敷きつめた傑作ユーモア・ミステリ。
著者等紹介
奥泉光[オクイズミヒカル]
1956年山形県生まれ。国際基督教大学卒業。1986年、「地の鳥天の魚群」を発表して注目を浴びる。93年『ノヴァーリスの引用』で野間文芸新人賞を、94年「石の来歴」で芥川賞を、2009年『神器軍艦「橿原」殺人事件』で野間文芸賞、2014年『東京自叙伝』で谷崎潤一郎賞を受賞。2012年より芥川賞選考委員を務める。現在、近畿大学文芸学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
igaiga
28
モンジとクワコーというか・・・男性陣が無敵である。太宰ファンが卒倒しそうではあるが、そこはキタカタケンゾーに免じて許してやってくれと。解説読んだけど秋編と冬編あるのかなぁー。読みたいなぁー。最後の笑ったジンジンに私も心をつかまれそうになった。2018/01/09
confusion_regret_temptation
26
相変わらずなクワコーとたらちね国際大学文芸部の面々。くだらなさと情けなさにコーティングされているけど、なかなかどうして、謎そのものはそれなりに面白い。有栖川有栖氏の解説が蛇足でありながら不可欠なものになっている。「最後に暴かれるのは、いじらしいまでの人間の小ささである(p292)」。ホント癖になります。2022/09/18
kk
21
「下流大学教員」クワコー先生シリーズの第2作。相変わらずの脱力感と、ウケを狙っているわけでもなさげな、身も蓋もないしょーもなさ。この作品を読んでいる時間の分だけ、人生を無駄に生きた気分にさせてくれます。奥泉先生は天才です。2020/06/12
sankichineko
20
おバカな人が賢そうに見せようとした文章は、回りくどくてねじれていてイラつきます。しかし、カシコイ人が書いたおバカな文章は、冗長なようでいて一本芯が通っているので読みやすく、しかも笑えます。それも物凄く笑えます。5行に一回笑いが来ます。ミステリとしては、日常の謎系。このジャンルによくある、「そんなものこじ付けだろう」感が無く、ミステリとしても十分に楽しめる。しかもキャラが良い。全員のキャラがきちんと立っている。大好きな本です。しかし奥泉作品初心者には決してお薦めできません。2015/06/22
びっぐすとん
19
今年の読書納めはこの本。くっくっくっと笑いを噛み締めた。また千葉がバカにされてる、でも千葉県民も笑っちゃう。内房の有名人といえばハマコー、クワコーも後に続けるか?身近な地名ばかりで親近感が増すばかりだけど、微妙に奥泉さん、千葉の地理というか、距離感わかってない。でもそんなことはどーでもいいくらいに面白い。アニメだのBLのネタや下品な下ネタと文学史、作家ネタを平行でぶちこんでくる芥川賞作家。『石の来歴』と同じ作家とは到底信じられないけど、私はこっちの系統の方が断然好きよ。次作も早く文庫化しないかな。2020/12/31