出版社内容情報
妻を殺した容疑で判事サビッチは法廷に。法廷闘争の果てに明かされる痛ましく悲しい真相とは。名作の20年後の悲劇を描く大作。
翻訳ミステリー大賞受賞の傑作!
妻を殺した容疑で判事サビッチは法廷に。法廷闘争の果てに明かされる痛ましく悲しい真相とは。名作の20年後の悲劇を描く大作。
内容説明
高名な判事サビッチの妻が薬物による変死を遂げた。事故死と思われたが、遺体発見から通報までに空白の一日があった。不審を抱いた検事局の捜査は、サビッチ判事に愛人がいたことを探り当てる。かつてサビッチを殺人罪で訴追し、敗訴した検事モルトの手で、再びサビッチは法廷に。嘘と真実と駆け引きが白熱する裁判が始まる!
著者等紹介
トゥロー,スコット[トゥロー,スコット] [Turow,Scott]
1949年、アメリカ、シカゴ生まれ。スタンフォード大学大学院を経てハーヴァード・ロースクールに入学、法曹となる。シカゴ地区連邦検察局の検事補を務める傍ら執筆した長編小説『推定無罪』で87年に小説家デビューを果たす
二宮磬[ニノミヤケイ]
1945(昭和20)年、静岡県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kircheis
289
★★★☆☆ 名作『推定無罪』の正統派続編。トゥロー作品の世界線は全て繋がっているので、その他の作品も読み終えてからこの本に取り掛かるのをお勧めする。 『推定無罪』でもあまり好人物ではなかったラスティだが、本作での懲りない姿に改めてゲス野郎の称号を与えたい。 過去作を読んでいるなら★3だが、読んでいないとモルトの心情、ラスティとバーバラの関係性、スターンの能力などが理解できないと思われるので評価は下がる。 第二次ラスティ裁判の周辺事情がある程度出揃ったところで下巻へ。2022/09/18
k5
61
夏のリーガルミステリ祭り③−1。大傑作『推定無罪』の二十年くらい後を描いた続編。検事だったラスティは上訴裁判所の判事となり、なんと最高裁判事の選挙に出るところだという。しかし、妻のバーバラが謎の死を遂げ、、、中年の世界を恐るべきバランスで描きあげた前作に比べると、初老になったラスティの世界はだいぶ性愛のウェイトが大きく、ちょっと島耕作感がでてきたのですが、それでも描かれるサスペンスは一流。勢いよく下巻へ。2022/07/24
Tetchy
56
男の女の恋情の機微。親と子が同じ一人の女性を愛する。偶然が招いたとはいえ、それがまた男と女の色恋沙汰の滑稽なところだ。ロー・スクールを卒業して法律に携わる高潔な職業に就く者たちでも、こと恋愛に限ってはただの男と女に過ぎない。いや寧ろ人を裁く重圧とそれに掛かる過酷な労働による我々の想像以上のストレスを発散するために愚かだと思いながらも愛欲に溺れ、浮世の辛さを忘れたがっているのかもしれない。本書の面白さはミステリの妙味よりもそんなどうしようもない衝動に駆られる高等階級の人間たちのおかしさにあるのだろう。2015/10/05
hanchyan@つまりはそういうことだ
43
著者お初。読み始めてみて、「あれ?まちがってハーレクイン文庫を買ってきちゃったか?」とか(読んだこと無いけど)ちょこっと思ったぞ(笑)。“法廷もの”って、当然法曹界に携わるハイソな方々のはなしだと思ってたので、なんか意外だった。が、「なんかどこかいけ好かない人物たちが、実に形而下的な動機(笑)を垣間見せながら事件の瞬間へとすすんでいくはなし」て既視感あって、なんとそれはクリスティだった。毒殺だしな!そう考えてみると、第二十一章がやたらスリリングで面白い。2017/05/15
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
37
「推定無罪」の続編。あの事件から20年あまり、サビッチ判事の元にまた危機が訪れる。妻バーバラの薬物による死、事故死ではなく殺人の疑いが。しかも相手はまたもやモルト検事。うーむ、リーガルサスペンス物は好きで面白い話だとは思うのだが、そこに行き着くまでの前段がなんかしつこくて長いなぁ。後半はいよいよ裁判戦。ようやく楽しめるかな?2015/05/17