出版社内容情報
悪化の一途を辿る戦況は、遂に原爆投下という悲劇へと至る。自らの退位をも視野に入れた昭和天皇の「聖断」を新資料で明らかにする。
終戦のご聖断は、いかに下されたのか?
悪化の一途を辿る戦況は、特攻隊、そして原爆投下という悲劇へと至る。自らの退位をも視野に入れた昭和天皇の「聖断」の背景には何があったのか。新資料で描く昭和史のクライマック
内容説明
昭和16年、真珠湾攻撃により日米開戦の火蓋は切られた。だがミッドウェー海戦を境に戦況は悪化の一途を辿る。神風特攻隊、東京大空襲、沖縄戦、原爆投下…大日本帝国の終焉が迫る中、彼の人は、いかにして、最後の決断を下されたのか―膨大な資料をもとに昭和を描く著者渾身のライフワーク、ついにクライマックスへ!
著者等紹介
福田和也[フクダカズヤ]
1960年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。同大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。現在、慶應義塾大学教授。文芸評論家として文壇、論壇で活躍中。93年『日本の家郷』で三島由紀夫賞、96年『甘美な人生』で平林たい子文学賞、2002年『地ひらく 石原莞爾と昭和の夢』で山本七平賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Akira Kumoi
3
ミッドウェー海戦からポツダム宣言受諾までを描いた第六部。21世紀の今から見れば、せめてあそこでアレがこうだったら…と思うポイントがいくつか。あと愚将と検索すると真っ先に名前の挙がるあの中将が率いたインパール作戦という狂気の行軍についての描写は、それが意識的に淡々と綴られている分、余計に心に迫るものがあったと思います。2018/04/02
kuro_23
0
昭和天皇の伝記。これはだいぶ天皇に同情的な著者の主観が入っていて、それはどうかと思う部分もあるんだけど、天皇が天皇として戦争に対して色々考え、努力してきたこと自体は否定されるべきではないだろうな。昭和天皇実録も読んでみようかなあ。2015/10/25
Char
0
福田さんのライフワークとも言える本書も6巻目に突入。真珠湾から終戦までの昭和天皇の苦悩を描きます。戦時中の昭和天皇に関する資料が乏しいのか、はたまた著者の意図かよくわかりませんが、昭和天皇の周辺だけでなく、市井の人々のエピソード(本編には関係のない話)がちりばめられており、それまでの5巻に比べるとやや冗長な印象を受けます。敗色濃厚となり、最終的に聖断を下される苦悩の悲痛さはいかばかりか、と思います。2015/07/02
kwmr_
0
ミッドウェーから8月15日まで。この分量を1冊に収めるのが無理があるのとは思うが、記述内容にバイアスがかかっている。山本五十六の件など、あえて詳細に記さないこと演出に好感。鈴木貫太郎が終戦時の総理であったことを「幸運」と書いているが、果たしてそうかな?周到に準備された結果とも読めるが...2015/03/14
tom1969
0
確かに昭和天皇(彼の人)を軸にあらゆるシーンをリアルに表現しているのかもしれないが、映像ではないため、追従できない。既知の領域があるからかろうじて理解した感じ。期待した彼の人の思いが垣間見れなかったのは残念(それは無理か)。2015/03/12