文春文庫<br> 球界消滅

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文春文庫
球界消滅

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  • サイズ 文庫判/ページ数 571p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167902797
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

もし日本プロ野球に、球団再編と、MLBへの編入が同時に起きたら……。日本球界へ警鐘を鳴らす、戦慄のシミュレーション小説。

ファンたちが、思い思いの選手を組み合わせて、ペナントを戦うシミュレーションゲーム「ファンタジーベースボール」。全米野球ファンの頂点を争う戦いで、見事に優勝した野球好きの青年、大野俊太郎は、ニューヨーク・ヤンキースでGM補佐を務めた立花の抜擢で、IT企業に買収されたばかりの新生横浜ベイズの副GMに就任する。ビリー・ビーンの「マネーボール」に代表されるように、野球を統計学から分析するセイバーメトリクスを駆使し、万年下位の弱小球団をテコ入れし、見事チームに首位を快走させる辣腕フロントとなる。だが、俊太郎に、思いもよらぬに新たな試練が……。それは、ベイズと球界の盟主・東都ジェッツとの合併話だった。しかし、合併話は、大変革への単なる序章にすぎなかった。
東都ジェッツのオーナーである東都新聞社主の京極四郎は、日本の球団を四球団に再編。なんとメジャーリーグの極東地区の一部に編入することを画策していた。大野はこの歴史的大転換の渦に巻き込まれていく。

日本球団とメジャーの合併が実現したら……。

デビュー作『ノーバデイノウズ』で、サムライジャパン野球文学賞を受賞した著者が、統一球や経営難がたびたび持ち上がり、くすぶる球界再編や、スターのメジャー流出で揺れる現在の球界の行く末を、暗示するかのようなシミュレーション小説に挑む。
「ベースボール」と「野球」の本質の違い、そして、合従連衡で揺れる日本各地の地域性、随所で描かれる迫真の野球シーン、そしてグッズや審判の問題にいたるまで、選手たち、オーナー、監督たちの葛藤と苦悩、そして、野球への思いをリアルに描きだした傑作。これは、まさに野球のTPP問題! 単行本刊行時には、多くの書評で絶賛された、日本プロ野球を愛するすべての人々に捧げたい、これまでになかったスケールで描く野球小説。

内容説明

弱小球団、横浜ベイズの副GM大野は、独自のセイバーメトリクス理論で、チームを見事に立ち直らせる。だが、一方で、球界全体を揺るがす途方もない計画が進行、大野はその渦中に投げ込まれる。もし、プロ野球が4球団に統合されてMLBに吸収合併されたら?豊富なデータに裏打ちされた戦慄のシナリオ。

著者等紹介

本城雅人[ホンジョウマサト]
1965年神奈川県生まれ。明治学院大学経済学部卒。新聞社にてスポーツ記者として、プロ野球、競馬、メジャーリーグ取材などに携わる。2009年デビュー作『ノーバディノウズ』が第16回松本清張賞候補作となり、選考委員の称讃もあり刊行。翌年、同作で、WBC二連覇を記念して設立された「サムライジャパン野球文学賞」の大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちょこまーぶる

59
有りうる話だなと思いながら読んだ一冊でした。現在のように日本人選手がメジャーリーグで活躍している事を考えると、読み進めながら実際にこの本の内容のような事を画策している人・企業が実際にあるのではないかと思ってしまうほどでしたね。でも、実際に日本の球団が4球団にまとめられちゃったら阪神タイガースの応援は続けられないかもしれないなという寂しさも感じてしまいました。いずれにしても、日本のプロ野球界は今のままでいて欲しいですね。野球好きな人なら、実際の人物に被せて読めて楽しいですよ。2023/08/20

しょーくん@本棚再編中

55
★★★★★★★☆☆☆もしも、メジャーリーグと日本プロ野球の合併構想が出たらというお話。うーん、複雑な心境になりました。メジャーリーグが身近にあるのも刺激的ですが、日本プロ野球の良さもあるわけで…。推測ですが、作者が日本プロ野球の将来を危惧して、野球ファン驚愕の設定で警鐘を鳴らしたかったのでしょうか?2015/03/04

リキヨシオ

35
球団買収による1リーグ構想を選手会やファンたちに猛反対によって阻止されてから数年…再び球界を揺るがせる緊急事態が発生!セパ12球団を4球団に減らしてメジャーリーグと併合…それは「日本球界の再編」ではなくまさしく「日本球界の消滅」を示す。野球人気の低迷、人気選手の海外流出など日本野球界の現状を描く作品。現実に起きたらオーナー、選手、ファン、審判、マスコミなどはどう動くのか…面白い一方でプロスポーツとは何だろうか…色々考えさせられる作品。2016/05/02

ドリル

32
本城雅人作品はこれで3作目。全て野球関係の小説。前2作はスカウトの話だったが本作品は球団合併の内容。12球団が合併して4球団になってメジャーに統合されるという話。壮大なテーマであり現実味を感じる部分もある。まずまず面白いが全体的に若干間延びした感じがして長過ぎるという印象を受けた。最後もなんとなくいい落とし所に落としたという感じでもっとインパクトが欲しかった。悪くはないが長さを感じてしまったのが残念。登場人物の磯貝や大野には好感が持てた。牛島がもっと悪に徹していていたキャラの方がよかったと思う。(★★★)2019/04/22

James Hayashi

27
スポーツ統計学を用い、データを駆使して選手を起用し勝利を収める(セイバーメトリックス)。日本の赤字球団の統合の裏で、球界ごとMLBに飲まれる話が進んでいた。そこで暗躍するフロント、戸惑いを見せる選手、審判、ファンたち。いろいろな面から現実に起こりそうなことをシュミレートしている。なんといってもMLBの収益力には驚かされる。物理的に日米の距離が近いなら起こり得るかも。By bookwalker2020/04/29

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