出版社内容情報
可愛い故に我が子を食べようとする母、己れの詩才を恃むあまり虎になった男。都の怪異を鎮めるべく、今宵も安倍晴明と源博雅がゆく。
大人気シリーズ、澄みわたる筆が都の怪異を活写!
可愛い故に我が子を食べようとする母、己れの詩才を恃むあまり虎になった男。都の怪異を鎮めるべく、今宵も安倍晴明と源博雅がゆく。
内容説明
蔵人・橘盛季に届けられた恋文。やがて姫君のもとに通うようになった男は一族の秘密を覗き見る(「銅酒を飲む女」)。貴公子・藤原道長は父・兼家に起きた異常事態を晴明と博雅に訴える(「首大臣」)。仲睦まじい猟師の兄弟を喰らおうとする者の正体とは(「夜叉婆あ」)。平安の都に蠢く生きとし生けるものの歓びと哀しみを活写する九篇。
著者等紹介
夢枕獏[ユメマクラバク]
昭和26(1951)年、神奈川県小田原市生れ。48年、東海大学日本文学科卒業。52年、「奇想天外」誌に「カエルの死」を書いてデビュー。『上弦の月を喰べる獅子』で、平成元年に第10回日本SF大賞、2年に第21回星雲賞(日本長編部門)を受賞。3年に第22回星雲賞(日本短編部門)を「上段の突きを喰らう猪獅子」で受賞。『神々の山嶺』で、10年に第11回柴田錬三郎賞を受賞。『大江戸釣客伝』で、23年に第39回泉鏡花文学賞、第5回舟橋聖一文学賞、翌年に第46回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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starbro
189
陰陽師シリーズ30周年記念完読プロジェクト https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11399200?sort=book_count&order=desc シリーズがまだ続いているため、暫定コンプリートです(V)o¥o(V) 全22作(短編:14、長編:2、絵物語:4、読本:1、傑作選:1)、23冊、6,400頁弱は圧巻でした。続いて次の新刊へ「ゆくか」「ゆこう」「ゆこう」 https://books.bunshun.jp/sp/onmyoji2019/06/07
KAZOO
115
この中には9編の作品が収められています。前回は道満の登場があまりなかったようなのですが今回はかなり登場しています。印象に残る作品が多く、「桜闇、女の首」「新山月記」が特に印象に残りました。後者は「山月記」をモチーフにしていると思われますが、哀れさを催させます。とくに漢詩の部分がいいですね。2017/10/07
KAZOO
93
これも児玉清さんと同じことを繰り返してしまいました。ハードカバーで1年前くらいに読んでいたのですが、文庫本最新刊で本屋で見かけ購入してしまいました。ただ何回読んでも楽しめるのであまり無駄にはなりません。ゆったりとした時間と昔の都の怪異の世界を楽しみました。2015/02/10
白きゅま
72
平安京のホームズとワトソンこと、安倍晴明と源博雅が、春夏秋冬、世の不可思議な謎解きを解明する『陰陽師』シリーズ第12弾!いつになく蘆屋道満の活躍が目立った作品でした♪好きな話しは、『桜闇、女の首。』、『首大臣』、『新山月記』、『牛怪』の4編で、相変わらず哀愁が漂います(*_*)中でも『新山月記』は、『キマイラ』シリーズを彷彿させるファンにはたまらない一作です(^-^)好きな台詞は、『人というものは、哀しみを忘るるために、さまざまな言葉のはなびらで、それを隠してゆくものなのだな……』2015/01/16
ポチ
46
陰陽師シリーズも今年で37年になるのですね!凄いなぁ!まだまだ読みたいなぁ。2024/05/18