出版社内容情報
上巻を参照
内容説明
次々に脱落してゆくランナーたち。砂漠では猛暑と豪雨が、ロッキー山脈では寒さが襲い、オリンピック委員会の妨害でレースは中止の危機に。だが誇りをかけて走りつづける彼らは、力を合わせて敢然とトラブルに挑み、ともに遙かなるセントラルパークをめざす。そこで待つのは「感動」の二文字には収まりきれない圧倒的な感情だ。
著者等紹介
マクナブ,トム[マクナブ,トム] [McNab,Tom]
1933年スコットランド、グラスゴー生まれ。自身、三段跳びの元記録保持者で、ミュンヘン、モントリオール五輪ではイギリス陸上チームのコーチをつとめたほか、アカデミー賞作品賞をとった映画『炎のランナー』にも技術指導顧問として製作に関与している。『遙かなるセントラルパーク』が小説第一作
飯島宏[イイジマヒロシ]
1940(昭和15)年、東京都生まれ。東京教育大学文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
at-sushi@進め進め魂ごと
82
‘30年代に実際に興行された大陸横断レースを題材にしたスポーツフィクション。ヤマ師のような主催者フラナガンをはじめ、元炭鉱マンやストリートファイター、ダンサー、貴族等、出自も目的も様々な魅力溢れるキャラ達が、灼熱のモハヴェ砂漠や極寒のロッキー越え、政治的圧力や資金難を乗り越える中で、家族のような紐帯で結ばれていく正しくロードノベル。自身もアスリートである著者ならではの精緻なレース描写と、老練な主人公・ドクを通じて語られる「一歩踏み出すごとに勝利し続ける」アスリートを讃えるセリフの数々がアツい。2017/06/18
のぶ
63
約30年ぶりに再読だったが、再びとても深い感動に震えた。上巻でニューヨークに向けスタートしたレースだが、この話レースの本筋からよく脱線する。資金難が解決しないまま興行主フラナガンが強行してしまったため、途中で続行の危機に見舞われる。その他、オリンピック委員会の妨害もある。そこで参加者の絆や助け合いで、困難を乗り越えるエピソードが描かれていてそれがすごく面白い。参加者はひたすらセントラルパークを目指すために。そして迎える感動のラストは、この本の素晴らしい邦題がすべてを語っている。本当にいい物語だった。2016/08/03
Panzer Leader
31
[第69回海外作品読書会]様々な事件・トラブルを乗り越えてアメリカ横断レースの完遂を目指す人々を描いた感動の人間ドラマ。中心となるランナーたちは勿論、主催者・記者・トレーナー達も丁寧に描いているので面白さもひとしお。「ウィンブルドン」に並ぶ最高のスポーツ・エンターテイメント小説でした。2016/09/05
one_shot
29
読み友さんより。ロス〜N Yの大陸横断グレートフットレース後編。面白かったー。読書中、登場人物を無意識に俳優に脳内変換しているのは良いフィクションの証拠だが、これもそうだった。本作は1928年の史実をヒントにして書かれたそうだ。ボニー&クライドが明日にむかってコルトをぶっ放してる大らかな時代。フルマラソン以上の距離を毎日3ヶ月走り通す。その過酷な行為はやがて順位などでは計れない「俺たちの」レースになっていくのだが…。いやー主役の興行主のフラナガン、高齢のランナードク、紅一点ケイト。誰にすっかなー。2023/05/20
みみずく
27
ランナーたちが砂漠や山を越えて団結していく一方、諸々の外圧が強くなり大会の存続が危なくなる。さすがのフラナガンも大ピンチ。行く先々で大博打を打ちながらジリジリと進んでいく。どんな競争も賭けの対象にしてしまうところがなかなかしたたかな人たちだった。アル・カポネだとかインパクトの強い実在の人物も作中に散りばめながら突き進んでいく稀代の人たらしフラナガン、アイディアマンのドク。そしてこの二人に引っ張られ他のランナーたちが続く。レースの最後はゴールすることだと分かりきっていても、その最後の姿に圧倒された。2015/02/19
-
- 洋書
- Hot Planet