出版社内容情報
山間部の小土豪であった真田氏は幸村の代に及び「日の本一の兵」と称されるに至る。その軌跡を『天地人』の著者・火坂雅志が描く!
二〇一六年NHK大河ドラマは「真田丸」
山間部の小土豪であった真田氏は幸村の代に及び「日の本一の兵」と称されるに至る。その軌跡を『天地人』の著者・火坂雅志が描く!
内容説明
戦国の乱世、山間部の弱小勢力であった真田氏を大名にまで育てた三代の男たち。仇敵である武田氏に仕え、旧領を取り戻した幸隆。主君を次々と替え「表裏比興の者」と呼ばれながら徳川の軍勢を二度まで退けた昌幸。そして「真田日本一の兵」幸村―知恵と情報戦で大勢力に伍した、地方の、小さき者の誇りをかけた闘いの物語。
著者等紹介
火坂雅志[ヒサカマサシ]
1956年、新潟県生まれ。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経て88年『花月秘拳行』で作家デビュー。上杉景勝の家臣、直江兼続の生涯を描いた『天地人』は2007年第13回中山義秀文学賞を受賞し、09年のNHK大河ドラマの原作となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
364
高い人気を誇る真田家を描いた作品。色々な意味でらしくない物語に仕上がっている。直江兼続や藤堂高虎といった、超有名所から一歩下がった目線から描く戦国の世こそが氏の真骨頂だと思う読者からすれば、真田という題材自体があまり心の琴線に触れないのが一点。また、これも噛み合わないと感じるのが、著者の"義"への思い入れ。『天地人』と通じた世界観だからなのか、直江兼続に感化される幸村を描きたいからなのか、対比として見られる幸隆/昌幸にいまいち躍動感が出ない。禰津のノノウが全編に渡って登場するあたりも、いつも以上に活劇調。2020/05/15
yoshida
178
火坂雅志さんは初読みの作家さんです。大河ドラマで「真田丸」も始まり、長らく積読だった本作を読み始めました。上巻は真田幸隆が旧領を奪回し、息子である真田昌幸らと版図を広げる。信濃から上野まで版図は拡大。真田家の小領主ではあるが、知恵と果断な決断で大勢力とパワーバランスを取りつつ生き残る姿が逞しい。初めに仕えた武田家の栄枯盛衰はいつ読んでも哀しい。信長はあっけなく亡くなる。真田家の最大の敵は徳川。下巻では秀吉の天下統一から関ヶ原、大坂の陣で終了と予想。もっと合戦場面に躍動感があれば良いかな。2016/01/29
ナイスネイチャ
171
上巻は真田幸隆、昌幸がメイン。特に私が好きな昌幸の老獪な武将に仕上がっていく様が描かれてました。幸村の家臣佐助もちょっと登場。今後活躍するんでしょうか?下巻が楽しみです!2015/10/03
ケイ
107
武田信玄が上杉謙信と一線を交える前の頃から本能寺の変の少し後まで。前半3分の2は、幸村の祖父幸隆と信玄の話。信玄を中心にすえた話は初めてなのと、真田と言えば正幸と信之・幸村兄弟を主に読んでいたため、祖父幸隆からの語りは読みがいがあった。武田家が軸となるので、出てくる武将は、上杉、北条が多く、信長や家康についての記述は少ないのもいい。後に幸村がつくことになる豊臣家の話はほとんどない。後半は真田家と徳川家になるのかな。のっけから幸村のことは、日本一の兵(つわもの)と言われたと紹介されているあたりにぐっとくる。2015/06/27
優希
75
面白かったです。真田を育てた男たちの物語。前半では主に幸隆に焦点が当てられ、後半になり昌幸たちが出てくる感じです。知恵と情報で力をつけていった小さき武士たちの誇りの中での闘いが力強いと思いました。下巻も読みます。2018/07/02