出版社内容情報
将軍綱吉の時代に日本を訪れたガリヴァーは波乱の航海に。海賊、宝探し、そして殺人。これぞ文学の冒険。「ガリヴァー旅行記」続編。
あのガリヴァーが日本に? 最高に知的な奇想大作!
将軍綱吉の時代に日本を訪れたガリヴァーは波乱の航海に。海賊、宝探し、そして殺人。これぞ文学の冒険。「ガリヴァー旅行記」続編。
内容説明
徳川綱吉の治世。犬が人間より偉く、武士が腹を切る奇怪な国・日本に上陸した冒険家ガリヴァーは、病に臥せる将軍のため南洋の島へと不死の秘薬を持ち帰る旅に出た。忍者に海賊、恐竜までが暴れ回る旅の果てに明かされる世界の秘密。博覧強記の鬼才が技巧の限りを尽くす、世界文学に比すべき知と奇想の大冒険物語。
著者等紹介
山口雅也[ヤマグチマサヤ]
1954年、神奈川県生まれ。早稲田大学法学部卒業。大学時代より評論などの執筆活動を開始し、1989年に『生ける屍の死』で小説家デビュー。95年、『日本殺人事件』で日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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オーウェン
5
狩場というのはもちろんガリバーの後付けであり、ガリバー旅行記の続巻という位置づけ。 そのガリバーが江戸に来て出会うのが狩場。 そこから船に乗り島に出向き、海賊との出会いから島での奇怪な生物との対立まで。 所詮はたらればなので、後半になるたびやりたい放題の様相に。 竜が出てくれば、神様らしきものまで。 ただし混乱しないのは章仕立てになっているからだし、いちいち解説がついているのでファンタジーとして楽しく読めたのは山口さんならではの手腕。 多分読む人を選ぶ作品だろうけど、個人的にはありだと思います。2019/10/19
MAS
2
本家「ガリヴァー旅行記」の知識(なかなか深い)も無く読み進めて行き、山口先生のおもろいパラレルワールドとして読んでしまったが、この小説の醍醐味は最後の最後で本家同様のメタフィクションを味わう事にもあったのだなぁ!と思った。2019/10/17
Goro Nakagai
2
久しぶりの山口さんワールド。このパラレルワールド感がいつも好きなのである。しかもいつも必ず和の要素が入ってるのも好きな理由かも。しかし、かの有名なガリバーと日本人が、しかも名前のよく似たカリバーが一緒に冒険に出かけるってどういうことよ(笑)。名前を近い響きにした理由は、実はガリバーは狩場でした!的なオチにするのかなって勘繰ってしまったけど、それはフェイントだったのは山口さんの良心からだろうか。って単にこっちが勝手にフェイントにひっかかっただけだけど。 キッドピストルズの新作も早く文庫化して欲しいなあ。2015/11/18
ぷくらむくら
2
いろいろなタクラミに満ちた本。ミステリというには弱いが、山口版「ガリヴァー物語」の味わいを存分に楽しめました。2014/05/27
灯子
1
真面目にガリヴァーという荒唐無稽な物語をかいている反面、脚註では山口さんらしさが感じられました。切腹ほか謎解きは要素はおまけ程度だったけど、最後の預言の矛盾はよかった。2016/08/07