文春文庫<br> 向田邦子の陽射し

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文春文庫
向田邦子の陽射し

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  • サイズ 文庫判/ページ数 331p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167900397
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

出版社内容情報

向田邦子を誰よりも讃仰している太田光による最も誠実なオマージュ。向田邦子ファン、また向田邦子を読んでいない太田ファンへ。

最上のオマージュ、鋭利な批評

向田邦子を誰よりも讃仰している太田光による最も誠実なオマージュ。向田邦子ファン、また向田邦子を読んでいない太田ファンへ。

内容説明

誰よりも向田邦子を讃仰している太田光による最も誠実なオマージュ。「こんなことを向田さん以外の誰が書けるだろう」というその傑出した魅力を小説・エッセイ・シナリオの奇跡のような表現を通して綴る。太田光が選ぶ、向田作品の「読む」「観る」ベスト10の原文も掲載。向田読者の幸福を存分に味わえる、最高の入門書にして最強の向田論。

目次

1 ぼくはこんなふうに向田邦子を読んできた(奇跡のような小説―思い出トランプ;沈黙という、至福の表現―あ・うん ほか)
太田光が選ぶ「読む向田邦子」ベスト10(かわうそ;三枚肉 ほか)
2 向田邦子が書いた女と男の情景(向田邦子の不在の大きさ;浮気をされても腹は減る ほか)
太田光が選ぶ「観る向田邦子」ベスト10(阿修羅のごとく;あ・うん ほか)

著者等紹介

太田光[オオタヒカリ]
1965年、埼玉県生まれ。84年、日本大学芸術学部演劇学科入学。86年、中退。88年、田中裕二と漫才コンビ「爆笑問題」を結成。93年度NHK新人演芸大賞、2006年、芸術選奨文部科学大臣賞受賞。10年には『マボロシの鳥』(新潮社)で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

緋莢

21
<私の言葉は、小さな子供の無邪気なひやかしで、向田さんの言葉は、大人の本当の悪だ。>(「思い出トランプ」) <向田さんの本を読んだ後はいつもそうだが、言葉を発するのが怖い。自分の言葉が、全て雑音のようで、ただただ黙っていたい。それが本音だ。>(「あ・うん」)<向田作品は、言葉であるのに、言葉に見えない。向田邦子は、言葉を花にする作家なのだ。>(「男どき女どき」)太田光が選ぶ、向田作品の「読む」、「観る」ベスト10と、その原文も収録。 誰よりも向田邦子を敬愛する太田光による最も誠実なオマージュ。2017/08/02

桜もち 太郎

19
爆笑問題の太田光が書く向田邦子論。普段テレビで見る太田さんはハチャメチャで大丈夫かと思わせるところがあるが、絶対にこの人は真面目だと思っていた。この本もとにかく真面目に向田邦子を語っている。愛情たっぷりだ。自分も向田作品が大好きで同志を得たような気持になった。向田作品のベスト10を挙げていたがなるほど鋭い。自分的には「字のない葉書」「手袋をさがして」かな。51歳という若さで飛行機事故で亡くなった向田さん。まだまだ生きていてほしかった。妹の向田和子さんとの対談も興味深く読むことができた。2020/04/24

*さくら*

19
一万円選書4:著者が爆笑問題の太田さんと気づいてなかった私。思った以上に硬い文章で始まるけれど、向田作品への愛は相当なもの。私は向田作品を読んだことないので、太田さんの作品への思い入れが中々うまく心に浸透せず1章は苦戦。が、2章で実際の作品を読んでみると、読みどころがすでに頭に入っているのでその魅力をあますことなく読み進めれたように思える。特に「あ・うん」「阿修羅のごとく」は各人物が魅力的かつ困難な状況下においても淡々とした日常が目に浮かぶように読め、全文読んでみたいなぁと。機会があれば映像でも見たい。2016/10/31

らびぞう

16
太田光。。。ん?この文面を読む限り、いつもの毒舌の「爆笑問題」の太田光ではない。そこには、「向田邦子」に愛が溢れた文章があった。向田邦子は、作家であり、昭和の時代に、寺内貫太郎一家や阿修羅のごとくなどの、それまでのテレビドラマとは違うホームドラマを私たちに送ってきた脚本家である。特にNHKで放送された阿修羅のごとくのテーマソングが異様だった。オスマン軍楽の 「ジェッディン・デデン」と言う曲らしい。今度は、向田邦子の本が読んでみたい。2020/08/14

めりっく

11
個人的には誰より発言が腑に落ち一人間として信頼を覚える著者の、向田作品への愛に溢れた向田邦子論。表現への著者の誠実な姿勢の礎には向田作品があったのだとよくわかる。直接言葉にしない自己表現の何たるか。向田は己を消す覚悟でそれを示したと著者は言う。複雑怪奇で底知れぬ女たち。女の掌の上で狼狽える男たち。人間丸ごとのリアルを見つめその無様さを炙り出す向田の眼差しは優しい。人は遍く愚かであるけれど、だからこそ向田は彼ら一人一人を丸ごと愛していたのだと。作品を精緻に読み解いていく著者のように本が読めたらといつも思う。2024/06/28

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