出版社内容情報
刀匠だった養父が妻の不貞に逆上して打った邪剣。災いをなす剣の始末を遺言で託されたおれんは、邪剣を追い凄絶な闘いを繰り広げる。
清張賞受賞で話題の作家の、幻のデビュー作登場!
刀匠だった養父が妻の不貞に逆上して打った邪剣。災いをなす剣の始末を遺言で託されたおれんは、邪剣を追い凄絶な闘いを繰り広げる。
内容説明
本所の貸本屋・辰巳屋文三が辻斬りに襲われたところを、新内流しの門付け芸人であるおれんに助けられた。おれんは義父の刀匠・呉羽暁斎の遺言で、彼が呪いを込めて打ってしまった邪剣四振の行方を追っているという。おれんは文三の助けで邪剣を探し当て、邪剣に魅せられた者たちと死闘を繰り広げていく。話題の清張賞受賞作家、幻のデビュー作。
著者等紹介
山口恵以子[ヤマグチエイコ]
1958(昭和33)年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒業。会社員を経て、派遣社員として働きながら松竹シナリオ研究所で学び、2時間ドラマのプロットを多数作成。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務するかたわら、小説の執筆に取り組む。新鷹会会員。2007年に『邪剣始末』で作家デビューを果たす。13年、『月下上海』で松本清張賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
68
面白かったです。貸本屋・辰巳屋文三が襲われたところを助けたおれん。義父が呪いを込めて打った邪見四振を追っているというのに刺激を受けました。邪険に魅せられた者たちと死闘を繰り広げるのにも鳥肌が立ちます。男性作家の作風に近い気がしました。2019/05/16
アーちゃん
22
図書館本。著者のデビュー作との事です。主人公のおれんと辰巳屋の面々が魅力的なのですが、艶っぽい場面や剣劇シーンがどちらかというと男性作家の描写に近く、結構直接的です。内容については、解説にもありましたが、落ちが早いうちにわかってしまい、やや粗いのかなと思います。また邪剣が生まれるきっかけも少し弱い。良かったのは所々に著者の江戸に関する薀蓄が入っており、話の進行を妨げるほどでもなくさらりと書いていて、よく勉強をしているのだなと感心いたしました。山口さんの長屋ものが読んでみたいです。2017/03/01
rakim
14
恩人の刀匠の遺言で、妖刀の探索と始末をしてゆく新内ながしを生業にしているおれん。考えると、邪剣に迷わされているだけのような敵が斃されていくのがちょっと腑に落ちない部分はあるけれど、美人剣豪活劇として○。登場人物も魅力的で面白く読みました。2016/11/01
ぶんぶん
13
【図書館】初めての作家さんだが扉裏の解説を面白そう。 義父の打った刀を邪剣として葬って貰いたいとの遺言に邪剣を使う剣客と死闘を繰り広げるおれんの活躍を描く。 著者デビュー作、荒削りの所は目に付くが情緒も交えての痛快編になっている。 4振り邪剣をどうにか始末したおれんに明日はあるのか。 その後の生き方を描く第2弾「小町殺し」を読んてみよう。2022/01/03
もんらっしぇ
11
作家として名を成しながらも食堂のおばちゃんとして執筆活動を続ける山口恵以子さんのデビュー作。(さすがにもう食堂勤務は辞めてる?) 本当は松本清張賞受賞の「月下上海」を読もうとして、ふと隣にあった本書が目につき購入。読み進め、妖刀を廻る物語ということで、怪談やモノノケものが苦手な私としてはw、最後まで読み切れるか心配だったのですが、妖艶な主人公おれん姐さんの魅力に圧倒され、良い意味でテレビや映画の時代物を観ているようにあれよあれよという間に読了。あ、続きがあるようですね。早速読まなきゃ♪