出版社内容情報
2000年に発覚したルーシー・ブラックマン殺害事件の捜査の全貌を明かす。刑事は全て実名、ここまで詳細に捜査を描いた書はない。
内容説明
警視庁麻布署に届けられた一件の家出人捜索願。捜索対象は後に世界を震撼させる猟奇事件の被害者ルーシー・ブラックマンだった。基礎捜査から事件の匂いを嗅ぎ取った捜査一課の精鋭たちは、攻めの捜査に打って出る―。登場する捜査官は、幹部に至るまですべて実名。真相に迫る刑事たちの執念を圧倒的なリアリティで描く。
目次
序章 一審判決
第1章 家出人捜索願
第2章 本格捜査
第3章 逮捕
第4章 物証
第5章 クロロホルム
第6章 遺体発見、二審判決
最終章 刑事たちのその後
著者等紹介
高尾昌司[タカオショウジ]
1946年東京都生まれ。米海軍第7艦隊司令部従軍記者章取得後、台湾、タイに駐在。アジア各国の紛争取材を経て帰国。湾岸戦争でもイラクに1カ月余り滞在。『週刊ポスト』や『週刊現代』などの週刊誌を中心に活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とくけんちょ
61
黒い迷宮に続くルーシーブラックマン事件本。ほんとに闇が深い事件。舞台は日本であるが、実質、被疑者被害者ともに外国人。日本流のやり方で臨んだ殺人事件捜査。それに加えて、証拠の少ない性犯罪。この本は刑事たちの活躍、奮闘ぶりを描いている。ただ結局、ルーシー被害の殺人罪を立件できてないところに大きな壁と敗北感を感じる。2021/05/26
おいしゃん
31
数多くの強姦事件を起こしている犯人を立件のため、物証を集める刑事たちを描くが、とにかく執念がすごい。読んでいると、解決されず死人に口なしになってしまうケースも多いのかなと、ゾッとしてくる。事件解決に向け、丁寧に描かれているのだが、肝心なラストシーンがあまりにあっさりなうえ、逆に刑事退職後の四国巡礼など、後日談がやたら長く、余韻が半減してしまった。2023/01/05
James Hayashi
28
ノンフィクションで実名の刑事や事件関係者が登場するが、内容や書き方、裁判の行方など満足のいくものでない。事件はルーシー・ブラックマンや多くの女性をクロロホルムを使い強姦や死に至らしめた織原城二。被疑者逮捕し立件されるが、とにかく刑事たちの背景や動きの方が詳細。タイトルも刑事が中心の如く。この事件に関し”People who eat darkness “Richard Parry 邦訳は「黒い迷宮」もあるが、ルーシーの件では無罪(その他の件で無期懲役)なのでスッキリしない。レイプ事件は証拠も上げづらく、→2020/06/29
きっちゃん
17
2000年に起こった「ルーシー事件」のドキュメンタリー。これだけの物証が揃っていたら有罪でも不思議はないと思うのだが「疑わしきは罰せず」ということだろう。他にも被害者がいたことで犯人は無期懲役の判決が下されたが、終身刑ではないので何時かは出所するのだろう。性犯罪者の再犯率は高い事を考えれば怖い。 2014/08/27
e r i .
14
ノンフィクションですが小説風な読み物だった。あくまで警察の葛藤や悩み、被害者遺族の悲しみなど。遺体捜索や状況証拠を揃えようと必死に走り回る姿には敬服する思いです。この事件の犯人は本の内容しか知らないけれどすごく気持ち悪い人だったんですね。色々と想像してぞっとしてしまいました。裁判の様子が出てこなかったんですが最後に勝ったと言っているから求刑通りの判決だったのかな。2014/07/31