出版社内容情報
四国統一の覇者から山内政権下での「下士」への転落。秦の始皇帝を遠祖とする名門一族の2000年にわたる興亡を、17代目当主が描く。
内容説明
四国統一を成し遂げ、天下を夢見るも、関ヶ原で敗北。山内政権下で「下士」へ転落、雌伏の後、明治維新を期に家名復活へ。秦の始皇帝を遠祖とする一族の興亡を末裔が描く。七十代、二千年に及ぶ血脈の「大河の一滴」までさかのぼった歴史のロマン。「歴女」に大人気、長宗我部元親の原点がここにある。
目次
序 大陸より―一族の遠祖、秦の始皇帝
第1章 土佐―秦一族から長宗我部家へ
第2章 興隆―土佐内乱と勢力拡張
第3章 中興―長宗我部元親伝
第4章 暗転―長宗我部の滅亡
第5章 血脈連綿―忍従の徳川時代
跋 家名復活―幕末以降の長宗我部
特別対談 『長宗我部』という一大叙事詩をめぐって(磯田道史×長宗我部友親)
著者等紹介
長宗我部友親[チョウソガベトモチカ]
1942年、高知市生まれ。早稲田大学卒業。共同通信社に入社し、経済部長などを経て、2002年、常務監事。04年に退任。長宗我部元親の末弟、親房から十七代目の当主。盛親亡き後、本流が絶えたため、祖父・親(秦霊華)が長宗我部家の末裔として昭和天皇の勅使から元親の正三位への贈位記を受け取る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kayak-gohan
20
長宗我部という姓は珍しいが、日本史を勉強したことのある人なら長宗我部元親という戦国大名として知っていると思う。著者はその長宗我部家の末裔。一族のルーツが中国・秦の始皇帝に始まり、渡来した日本では秦(はた)の姓を名乗って聖徳太子、藤原氏、足利氏といった時の権力者を支えながら繁栄してきた歴史がユニーク。2023/03/06
ウィズ
11
血脈連綿!!2013/08/05
detu
9
司馬遼さんの『夏草の賦』で初めて長宗我部元親の活躍に胸を躍らせたことを思い出し、興味を持っていたところへこの『長宗我部』実の子孫の著書を見つけました。前半は悠久過ぎて思いもあまり及ばない感ありでしたが、中興の祖『元親』『信親』のくだは司馬遼先生の話で知るところであり、山内政権下の暗黒冷遇時代、幕末、土佐藩下士の維新に向かう流れ、歴史は脈々と続くものだと実感するところでありました。関ケ原、大阪の陣からの由来、幕末倒幕、歴史は人が作る、だからこそ面白い。2015/08/25
BIN
5
長宗我部元親の祖先である秦の始皇帝から元親の末弟の子孫である著者まで2000年以上の長宗我部家についてまとめたもの。読みは「ちょうそがべ」が正しいらしい。元親の前後しか知られていないので貴重な一策。遠流の地に居ながら昔から朝廷との関わりを持とうとしていたとは。また江戸時代で下士として雌伏のときを過ごし幕末に土佐勤王党に参加した人物も居たとか面白かったです。2016/12/15
シン
5
古代中国・秦の末裔とされる長宗我部家。その流れにある友親氏による長宗我部家史。話としては、やはり中興の元親、信親、盛親あたりが面白かったです。再度、司馬作品も読みたいです。関ケ原後、国替えによって土佐に入った山内家側から見た当時の様子も興味深いです。2015/08/17