出版社内容情報
臨床犯罪学者・火村に奇妙な犯行予告のFAXが届く。相棒の作家・有栖も慇懃無礼な脅迫電話に悩まされる。人気シリーズ短篇集。
内容説明
「とっておきの探偵にきわめつけの謎を」―臨床犯罪学者・火村英生のもとに送られてきた犯罪予告めいたファックス。術策の小さな綻びから犯罪が露呈する表題作ほか、過去の影におびえる男の哀しさが余韻を残す「長い影」、殺された男の側にいた鸚鵡が真実を暴く「鸚鵡返し」など珠玉の作品が並ぶ人気シリーズ。
著者等紹介
有栖川有栖[アリスガワアリス]
1959年、大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業。同大学推理小説研究会に所属していた。89年『月光ゲーム』でデビュー。書店勤務の傍ら『双頭の悪魔』など話題作を続々と発表し、新本格派の旗手となる。94年に専業作家となる。2003年『マレー鉄道の謎』で第56回日本推理作家協会賞、08年『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞小説部門を受賞。本格ミステリ作家クラブ初代会長も務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nobby
129
作家アリス18作目は短編集。10頁から70頁と寄せ集め的8篇ながら、結構な仕掛けや綺麗に連なるロジック披露するのはお見事!相変わらず自他ともに認める道化に徹するアリスの魅力満載(笑)少々やっつけ偶然を感じながらも、限られたボリューム内で本格ミステリを完結させるのは鮮やか♬最も印象に残ったのはやはり表題作!警察にアリスに火村そして事件と全く絡み合わない4つの視点が何気ない2人の会話から溶解していくのが絶品!「殺意と善意の顛末」での何ともマヌケな失態に続いてされた謎解きに思わず「ホーっ」と感嘆できるのもいい!2022/08/30
gonta19
127
2011/6/10 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2023/10/2〜10/4 2年半ぶりの有栖川作品。オール読物と携帯サイトJ-ミステリ倶楽部に掲載された色々なパターンのシチュエーションのショートショートや中短編。最初の「長い影」が一番かな。2023/10/04
ダリヤ
125
ひさしぶりの有栖川さんと火村さん。短編集なのでほどよい濃度でさまざまな角度からの事件が解き明かされてとても読みやすく、おもしろかった。やっぱり火村さんがかっこいい。2015/03/31
純
110
ドラマが面白いので、原作を読んでみたくなった。短編集で、謎解きがたくさん読めたのが良かった。次は短編集ではなく、長編を読んでみたい!2016/02/06
がたやぴん
90
タイトルが魅力的すぎ。長編だと思い込んだまま目次を見て意気消沈。短編でした。掌編を含む8作品が掲載。絞殺、撲殺、刺殺と犯行は多岐に及ぶ。アリバイトリックが多く謎の解明が論理的で腑に落ちやすい。フムフムなるほどねと読みすすめるタイプの人だけでなく、短編でありながらもキッチリ推理しながら読むタイプも満足できる。過去9作の短編集より満足度が高い一冊だと思います。一押しは「長い影」です。表題作名には作者の意図があったが感じ取れず残念。文庫版あとがきに掲載されています。単行本派の人は、立ち読みしてみてはw2015/07/01