出版社内容情報
北関東のとある街で、コーヒー豆と和食器の店を営むおばあちゃんが、店で聞いた話から、街で起こった小さな謎を解決するミステリー。
内容説明
観音さまが見下ろす街で、コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」を営む気丈なおばあさん、杉浦草。人々を温かく見守り続ける彼女は、無料のコーヒーを目当てに訪れる常連たちとの会話がきっかけで、街で起きた小さな事件の存在に気づく。オール讀物推理小説新人賞受賞のデビュー作を含む「日常の謎」を解く連作短編集。
著者等紹介
吉永南央[ヨシナガナオ]
1964年埼玉県生まれ。群馬県立女子大学卒業。2004年、「紅雲町のお草」で、第43回オール讀物推理小説新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
310
その昔こどものころ10年弱、紅雲○という町に住んでいたので(+大矢博子さん解説本コレクション活動の一環で)手に取ってみた。今でもそこに住んでいる母は草さんとほとんど同じ年齢だがこの表紙の絵ほどにお婆ちゃんじゃないぞ。息子の贔屓目なのか?高崎の観音様はこどものころによく連れて行ってもらったのでこれまたなんとなくノスタルジックな感じ。2016/02/01
またおやぢ
208
自分の身の回りに起こる事件を、淡々と解決していくお草さんは76歳。老婆の探偵(?)といえば、アガサ・クリスティーのミス・マープルを思い出すが、人間の心の機微を切なくも温かく抱きしめているのは、お草さんに軍配か。様々な想い出を胸に、生きているからこそ、相手に優しくなれることを気づかせてくれる...そんな一冊。シリーズの様なので、次巻にも期待しましょう。2016/04/06
キングベルⅩ世
207
表紙やタイトルからは考えられないぐらいほのぼのとしてないシリアスな日常系。謙虚なんだけど、ちょっと無理してる感のある主人公・お草さんが閃きではなく、会話や行動から謎を解いていく。痴呆の老人と間違われたり、軽く若い男に組み伏せられたり、そもそも自分から事件に首を突っ込んでいく、この無理してる感がスパイスとして効いてる印象。お草さん以外の登場人物は総じてリアルで、由紀乃のボケていく様なんかは怖い。お草さんより久実の視点で見たいな、この話。2015/03/19
小梅
196
試飲のできる古民家な感じの珈琲と和食器の店があったらハマるな。初読み作家さんで推理物…何にでも首を突っ込んでお節介なキャラクターだったら嫌だなと思いながら読み始めたら、全く違った。私好みの主人公でした。表紙の絵も良いのですが、本文に「盆の窪に纏めた髪」とあるので、襟足近くに小さく纏めた髪型だよな…イラストを描いた人は「盆の窪」の場所を知らないのかな?と、美容師なので変な所が気になりました(笑)2015/04/17
柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中
164
読メのオフ会でこの作者の本を薦められたけど、ハードカバーなので同じ作者の他の本を探していると、日本版ミスマープルという言葉に惹かれて購入。ミスマープルほど謎は解かないが、現代の日本の老婆らしい問題山積みです。謎を解くというよりも年季を積んだ老婆の経験と視点から問題を解決していく短編集という感じ。でも落ち着いて美味しい珈琲は飲めそうなので近所にあればいってみたい感じの店ですね。2013/05/30