文春文庫
科学は大災害を予測できるか

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  • サイズ 文庫判/ページ数 322p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167812102
  • NDC分類 415.5
  • Cコード C0198

出版社内容情報

地震、津波、小惑星衝突……。予測はどこまで可能か? カオス理論の専門家である著者が豊富な具体的ケースをもとに解き明かす!

内容説明

蝶のはばたきひとつで、はるか先の天気は変わる。―だから予測は不可能なのだ。そう数学のカオス理論は唱える。では大災害の予測は不可能なのか?各界の科学者たちは、今もこの絶壁に挑戦し続けている。気鋭の数学者でもある著者が、地震、津波から小惑星衝突まで、予測の最先端をわかりやすく紹介する。

目次

第1章 津波
第2章 地震
第3章 火山
第4章 ハリケーン
第5章 気候変動
第6章 小惑星の衝突
第7章 金融危機
第8章 パンデミック
第9章 予測はどこまで可能になったのか

著者等紹介

ディアク,フロリン[ディアク,フロリン][Diacu,Florin]
ルーマニア出身、カナダのブリティッシュ・コロンビア州にあるビクトリア大学教授。数学者。ブカレスト大学卒業後、数学教師を経てドイツのハイデルベルグ大学で博士号取得。専門はカオス理論と天体力学。高度な微分方程式によって、惑星、彗星の運行予測の研究をしている

村井章子[ムライアキコ]
翻訳者。上智大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

taku

19
自然の猛威に宇宙からの脅威、人為的な災厄について、現代科学はどこまで予測可能なのか、将来的にどこまで予測可能になるのかを解説してくれる本。正確な予測、予知は難しく限界はあるが、専門家達が発生や動向のメカニズムを研究してきた歴史、その手法と精度を高めるための課題について知ることができる。各項目を深く追求してはいないが、全体像は掴める。個人レベルの対策としては、知識を得て、情報に対して正しい判断、行動ができるように備えることだ。著者の科学に対する目線は好感が持てる。2016/03/28

aochama

4
これまで科学が自然災害にどう取り組んできたかの振り返りが、多数の蘊蓄とともにできます。結構、人類頑張ってきました(^_^)v その結果、今があることに感謝です。 今回の感染症騒動も記録に残るんでしょうねえ。地震や噴火、台風のような自然災害の他に感染症や天体衝突、金融危機まで、さまざまな危険に曝されていることの認識を新たにしました。いずれにせよ、科学の基礎的研究が大事なことがよく分かりました。2020/05/10

くまこ

4
『グスコーブドリの伝記』を読んだのがきっかけ。災害に科学がどう取り組んできたか、特に地震、火山噴火、気候変動の章が興味深かった。各章ごとにまとめられていて読みやすかったが、著者の専門である数学の応用に関しては掘り下げにバラつきがある気がした。日本語文庫版への序文と、最終章の結びに著者の理念が込められていて、感銘を受けた。2012/11/30

むとうさん

2
地震や火山を始めとする災害の「予測」がどこまで進んでいるか。ある程度の長期的な予測は様々な分野で行われているが、やはり短期的には難しい。長期が予想できるなら自由度を下げた状態で短期モデルを作れば予想できそうだけど、そういうものでもないのかな。バブル崩壊が取り上げられていたのは新鮮。とりあえず、ある数学者は経済学を科学として認めたということである笑。印象に残ったトピックは小惑星の破壊方法。核で壊すのは意外と難しい+危険なのか。あとパンデミックの研究でお金を使うのは斬新な発想。他の分野でも使えそうだ。2013/01/15

syam

1
大災害の様相は予測できるけど、日時までは予想ができないというある意味当たり前の結論。でも、さも正しい予測のような振りをした都合のいい結論を導いて涼しい顔をしてるのが多い中、科学者としては正しい立ち位置だと思う。2012/10/22

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