出版社内容情報
故郷を出て、バブルに沸く東京で、私は仕事も恋も手にいれたはずだったのに……。「オトナの女」6人の迷いと再生を描く傑作短篇集。
内容説明
郷里をはなれ、好景気に沸く東京で暮らす6人のヒロインたち。仕事で成功すれば野心的だと噂され、妻子ある男との恋に傷つき、すこやかな体まで失っていく。母とは違う生き方をめざしたのに、「賢い女」になれなかった日々。でもやがて、母親となる日が訪れ…。同じ時代を生きる女性たちに贈る傑作恋愛短篇集。
著者等紹介
谷村志穂[タニムラシホ]
1962年、北海道札幌市生まれ。北海道大学農学部で動物生態学を専攻。90年、ノンフィクション『結婚しないかもしれない症候群』で女性の共感を呼ぶ。91年、処女小説『アクアリウムの鯨』を発表。以来、自然、旅、性などをモチーフに多くの作品を発表。2003年、『海猫』で第10回島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
85
切なかったです。郷里を離れ、東京で暮らす6人のヒロインたちの恋愛短編集。不倫だからこその傷が体に痛みを突き刺しました。母とは違う生き方を求めていたのに、どうしてこうも歯車が狂うのだろう。母の存在の大きさを感じさせられます。2016/04/23
choco
51
地方から都心に出てきた女性たち。彼女達の恵まれない薄幸な恋愛に切なさを感じ、こうも妻子ある男性が魅力的なのか?と疑問を感じながらも、やはり「母」の存在は偉大だ。と再確認する。まぁ、いいじゃないか。一度きりの人生、苦い思いも、悲しい思いも、胸がキューとなる嫉妬心も。味わえばまた次のステップがやってくる。そして「幸せ」がなんたるものか答えが出るかもしれない。2016/02/01
なつ
15
全体を通してみると、なにか薄暗い雰囲気が漂う。6人の女性を軸にした短編集。不倫、ダメ男。でも、結局、女性たちもただ流されているように感じて、消化不良。2017/03/24
いけ
10
お母さんの存在って、いくつになっても大きい。2014/03/19
湖都
6
似た名前で似たような不倫の恋をしている女主人公たちの短編集。名前が似てるからか、境遇が似てるからか、パラレルワールドでも見てるような気分。妻子持ちの男と不毛な恋をして、母に守られたり守ったりしながら、精神と身体のバランスを崩して…。読んでるこちらまで過呼吸になりそう。不倫の二股までして妊娠して…という話では、もうおなかいっぱいになり、最後の表題作の救いすら薄いものにしか感じられなかった。しばらく不倫の話は読みたくないかも。2018/02/12