出版社内容情報
イタリア語通訳歴38年の著者が仕事やプライベートで遭遇した、恋愛至上主義のイタリア人ならではの珍騒動や抱腹絶倒の通訳裏話。
内容説明
イタリア語通訳歴35年の著者が仕事やプライベートで遭遇した、さまざまな人たち、出来事の数々。今日もイタリアのあちこちで、個性たっぷり、一筋縄ではいかない男と女が繰り広げる人間模様。目から「うろこ」ならぬ「ハム」が落ちるエピソードが満載の、全55場のイタリア人間喜劇の開幕。
目次
1 イタリア、十人十色
2 シモネッタのイタリア語講座
3 通訳は一日にして成らず
4 イタリアを知るには、まず日本から
5 笑って許して
6 シモネッタのつぶやき
7 忘れられない人たち
著者等紹介
田丸公美子[タマルクミコ]
イタリア語会議通訳、翻訳業。広島県生まれ。東京外国語大学イタリア語科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
279
タイトルの『目からハム』は、日本語の「目からウロコ」のイタリア語版。著者の田丸公美子さんは、外国語の通訳者としては、ロシア語の米原万里に次ぐ有名人、かつエッセイスト。本書は、そんな通訳稼業の人知れぬ苦労と楽しみや役得を奔放に語るが、それは同時にイタリア人の様々を語ることでもある。したがって、読者はその両方を同時に楽しめるので、1冊で2度おいしい。エッセイは、ひじょうにテンポよく語られ、その基調にはイタリア人ばりの陽気な暖かさがある。まさに、"mangiare,cantare,amare"に満ちた世界が⇒2025/12/10
ドナルド@灯れ松明の火
23
タイトルの意味は何だろうと思ったら「目からウロコ」だったとは!米原万理さん亡き今、女性同時通訳者のドンにしてシモネッタの称号を持つ田丸さんのエッセイは面白い。故米原さんも田丸さんも日本語の重要性を主張されている。まさにそうだと思う。母国語できちんと考え意見を述べられない者に通訳は勤まらない。でもこれ読んでいると、通訳でなくても必要な、日本語がきちんと話せる人が激減していると痛感した。ビジネス面での通訳経験話は外国人との折衝に役立つと思う。最後の章、忘れられない人たちの話はよかった。2013/05/21
ドナルド@灯れ松明の火
14
再読。とにかく面白いがここまで深い比較文化論になっていたことを再認識。日本の語学教育が至らない事にも言及。まずは正しい日本語教育を!という主張は正に正論。 お薦め2022/06/02
sweet november
12
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️同時通訳というのは、言葉の変換を瞬時に頭の中で行い、口から別の言語を話さなければならない仕事だから、非常にストレスがかかり早死にする人も多いと聞きます。この本は、同時通訳の舞台裏がコミカルに書かれていてとても楽しめました。イタリア人の生態が様々でそれも面白いです。2014/10/02
川崎川
10
故米原万里さんと双璧をなす、日本人ベテラン通訳田丸さんのエッセイです。通訳を取り巻く環境や、イタリア語通訳ならではの小噺などがいっぱいです。緊張感あふれる会議通訳の現場の思い出話を読んで、今話題のTPPの交渉での首相二枚舌事件なんて、通訳のミスとか言われかねないもんな~なんて思ってしまいました。それにしてもこの本読んでる人、思ったより少ないのね…。もっと広まりますように。2011/11/19
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