文春文庫
他者と死者―ラカンによるレヴィナス

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  • サイズ 文庫判/ページ数 297,/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167801496
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0195

出版社内容情報

ラカンの精神分析的知見を関与させてレヴィナスを読解する──。「難解×さらに難解」で複雑な結び目は解けるのか。思想の大冒険。

内容説明

哲学史に屹立する巨人、ジャック・ラカンとエマニュエル・レヴィナス。彼らの名を並記した研究書を見たとたん、“なるほど、この二人は「そういう関係」だったのか、と不意に腑に落ちた”。「難解なもの」に「さらに難解なもの」を重ねて抽出される思想の真実とは何か。著者のライフワークたる「レヴィナス論」第二弾。

目次

第1章 知から欲望へ(難解とはどういうことか?;問いの差し戻し ほか)
第2章 テクスト・師・他者(完全記号;師としての他者 ほか)
第3章 二重化された謎(対面;呪われた独学者 ほか)
第4章 死者の切迫(死体;「私」とは誰のことか? ほか)
終章 死者としての他者(死んだあとの私;タブーと自責 ほか)

著者等紹介

内田樹[ウチダタツル]
1950年、東京都生まれ。東京大学文学部仏文科卒。東京都立大学大学院博士課程中退。2011年3月、神戸女学院大学大学院文学研究科教授を退職。現在は同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、映画記号論、武道論。2007年『私家版・ユダヤ文化論』で第6回小林秀雄賞を受賞。『日本辺境論』で新書大賞2010を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

evifrei

19
レヴィナス論第2弾との事だが、間違えて先に読んでしまった。難読で知られるラカンとレヴィナス。解らないものどうしを掛け合わせれば見えてくるものがあるのではないか、というキャッチーな意図で書かれた書籍だが、レヴィナスは常に認識の一本手前・ラカンは一歩先に立ち現れるという明分析から始まる。感銘を受けたのは『決して現実の世界には存在しないものだけが…「私」を現実的なものとして基礎づけてくれる』という一文だ。世界に存在してはならないものを、世界に存在させない事が鎮魂の本義だとするが、生きる者の課題である様にも思う。2020/06/07

うりぼう

19
予想通り歯応え十分だった。第1弾の「愛の現象学」よりは、読み易い。知は、解らないことへの執着、自由な読み・意味を可能にすることから無限の意味へ。師はその問いを発し、弟子は遅れていること、を認識した者。交換は、二重の意味、「前言撤回」を行うことから永続的行われる。これらの思想は、レヴィナス氏のホロコーストに対する有責性が影響しており、哲学も常にその時代と深く関わりあっている。善は、私が犯していない罪に対して有責であることを認めること。それは、今回の東日本大震災で生き残った、他の地にいた全ての人が感じたこと。2012/03/05

さきん

18
どこの領域も行き着くところはだいたい同じだということを著者が気付き、それを読者に親切に知らしめようとしている内容?言っていることはことごとく腑に落ちるが、誰かに伝えるには、この本を読めとしか言えないし、相手が腑に落ちてくれるかは、その相手の器次第だと思う。2015/10/21

fseigojp

17
わからないったら、わからない リベンジを期す2015/09/13

tokko

15
私のような未熟者にはまだ早いのか、なにをおっしゃりたいのかとんと分かりません。そもそも今まで「分かっ」たつもりになっていたものは、本当に「分かる」ことだったんだろうか?どうも現在持っている知の枠組みとか理解するための前提とか言語体系とかを一度解体しないとダメなようです。成熟したのちにまた読みたいと思います。2018/10/18

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