出版社内容情報
京に暮らし、俳人として名も定まり、よき友人や弟子たちに囲まれ、悠々自適に生きる蕪村に訪れた恋情。新たな蕪村像を描いた意欲作。
老境を迎えた与謝蕪村、最後の恋の行く末は
京に暮らし、俳人として名も定まり、よき友人や弟子たちに囲まれ、悠々自適に生きる蕪村に訪れた恋情。新たな蕪村像を描いた意欲作。
内容説明
京に暮らし、二世夜半亭として世間に認められている与謝蕪村。弟子たちに囲まれて平穏に過ごす晩年の彼に小さな変化が…。祇園の妓女に惚れてしまったのだ。蕪村の一途な想いに友人の応挙や秋成、弟子たちは驚き呆れるばかり。天明の京を舞台に繰り広げられる人間模様を淡やかに描いた傑作連作短編集。
著者等紹介
葉室麟[ハムロリン]
1951年北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年『乾山晩愁』で第29回歴史文学賞を受賞し、作家デビュー。2007年『銀漢の賦』で、第14回松本清張賞を受賞。2009年『いのちなりけり』が第140回直木賞候補。同年、『秋月記』で第141回直木賞候補および第22回山本周五郎賞候補となる。2010年『花や散るらん』が第142回直木賞候補。2012年『蜩ノ記』で第146回直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
115
江戸中期の俳人与謝野蕪村を軸にした 連作短編集である。昔ながらの 人情味溢れる小噺が続き、品のある 雰囲気が心地良い。登場する女性たちの慎ましさと、頻出する俳句が 与謝野蕪村の 世界を彩る。ひどく儚い心洗われるような 江戸の人情物語だった。2022/05/19
いこ
95
京の俳人であり絵師の与謝蕪村を主役に、その周囲の人々を描いた連作7編。京都が舞台なので、ゆったりとたゆたう様な京言葉が魅力的。章の中に二~三句織り込まれる蕪村の俳句も風雅。これら俳句や絵を絡めながら、蕪村の後半生を鮮やかに蘇らせていく。蕪村の妓女との恋、娘の恋、弟子の恋、友である円山応挙の恋…と恋愛中心の短編達。三章の、弟子の大魯と罪を犯し遊女屋をやめさせられた妓女の言葉が印象的。『世の中、悪いことばかりやない。自分がしっかりしてたら生きていける。死んだらしまいや。生きた者が勝ちや』生きた者が勝ち、です!2022/04/03
じいじ
76
葉室作品のなかにあって、数少ない恋愛小説ですが面白かった。既読の恋愛モノ『いのちなりけり』よりも、今作の方が私の好みに合いました。与謝野蕪村、円山応挙らの江戸時代に活躍した実在人物のリアル感と恋心が加味されているからです。じつは、葉室小説との出会いは、直木賞作『蜩ノ記』でした。それから『散り椿』『蛍草』『紫匂う』…と葉室小説のトリコにハマって行きました。今作は、これまでの作品に優しさが一味加わった感触で、とても読み心地がよかったです。2025/04/14
クプクプ
72
連作短編集。澤田瞳子さんが司会のBSの番組「あなたの知らない京都旅」で、円山応挙、伊藤若冲、与謝蕪村を紹介していたので、苦労せず、内容を理解することが出来ました。葉室麟さんが、還暦の頃、書かれた作品ということで、与謝蕪村の俳句や、円山応挙の絵の話を交えて、若い男女の恋愛を、円熟した描写で、描いていました。読みやすい本なので、土日に読むには、ちょうどいい本でした。2026/02/07
ふじさん
71
「夜半亭有情」は、蕪村と祇園の妓女の小糸の恋の話。「春しぐれ」は、蕪村の娘くのと佐太郎の幼い哀しい恋の顛末。「隠れ鬼」は、蕪村の弟子の異質な大魯の波瀾の生涯を描いた力作。好きな一篇だ。「牡丹散る」は、円山応挙が心に心寄せられ夫との間で心揺れる女の物語。これもなかなかいい。「雛灯り」は、過去のいきさつに絡む三つのわりなき恋を描いた異色の作品。「梅の影」は、蕪村の二人の弟子の月渓とお梅との顛末、寄り添う愛?いたわりあう愛?何故か心に深く染み入る。蕪村に関わった人々の様々な人間模様が読み応えあり。2026/07/23




