出版社内容情報
京で静かに暮らす雨宮蔵人と咲弥は、朝廷と幕府の暗闘に巻き込まれた上、赤穂・浅野の吉良討ち入りに立ち会うこととなるのだが!?
内容説明
京の郊外に居を構え静かに暮らしていた雨宮蔵人と咲弥だったが、将軍綱吉の生母桂昌院の叙任のため、上京してきた吉良上野介と関わり、幕府と朝廷の暗闘に巻き込まれてしまう。そして二人は良き相棒である片腕の僧、清厳とともに江戸におもむき、赤穂・浅野家の吉良邸討ち入りを目の当たりにする事となるのだが。
著者等紹介
葉室麟[ハムロリン]
1951年北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年『乾山晩愁』で第29回歴史文学賞を受賞し、作家デビュー。2007年『銀漢の賦』で、第14回松本清張賞を受賞。2009年『いのちなりけり』が第140回直木賞候補。同年、『秋月記』で第141回直木賞候補および第22回山本周五郎賞候補となる。2010年『花や散るらん』が第142回直木賞候補。2012年『蜩ノ記』で第146回直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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じいじ
100
映画が栄華を極めた時代は、毎年12月になるとどこかの映画社が「忠臣蔵」は製作していた。そのストーリーは、赤穂の田舎侍たちがチカラを結集して主君の仇を討つ―という、おおかた同じなのだが、せっせと映画館に足を運んだもんである。小説も然りで、大筋は分かっていても書き手によって、その解釈も違ってくるから読む価値あります。葉室麟による「忠臣蔵」は、氏が作家デビュー果たしたころから温めていた野心作だそうで、その熟考のあとがうかがて、なかなか面白かった。2022/09/15
遥かなる想い
99
忠臣蔵を別視点から描いた作品である。 桂昌院従一位に纏わる柳沢吉保・吉良上野介と 大奥を軸に物語は語られる。 忠臣蔵をこの視点で描いたのは新鮮だが、 残念ながら 魅力的な人物が少なく 正直 少し抵抗感を感じる。 2022/06/16
レアル
78
『いのちなりけり』の続編。前作と比べてストレートな物語。分かりやすいし読みやすい。もう一つの赤穂浪士。忠臣蔵を背景に物語の絡み方が面白いし、創作と史実を上手く組み合せ「武士の美学」を描いている。それにしても蔵人はかっこ良いなぁ。。2014/07/18
優希
77
忠臣蔵と絡めた作品でした。静かに暮らしていた蔵人と咲弥が吉良上野介と関わることで赤穂浪士の討ち入りを目の当たりにしてしまいます。花はどう散るのかというのは、武士の最期の協奏曲だったのですね。事件は大変なはずなのに、爽やかさを感じずにはいられません。面白かったです。2020/12/01
財布にジャック
70
「いのちなりけり」の続編なのかと思っていましたが、そうではなくて忠臣蔵がメインでした。思ったよりずっとずっと良かったです。吉良上野介のイメージも葉室さんのおかげで良い意味で変わりました。やっぱり忠臣蔵は、歴史モノの中でもピカイチな気がします。「いのりなりけり」と比較しても何倍も好みでした。2015/11/12